出版社内容情報
この選集には「読む能の本」なる副題があり,謡曲をもっとも正しい読み方で,しかも実演の能を見るがごとく読ませようとするものである.各派の特色によって代表的傑作30番を選び,シテ方・ワキ方・狂言方の各歌詞を舞台的に綜合してマイ・ハタラキ・ハヤシ等の指定をも適度に記入し,役者の登場・退場・場面の区分法を明確にしている.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nishiyan
5
初版は1935年5月15日。2018年春のリクエスト復刊ということで、2018年2月23日第12刷。大好きな「俊寛」「鉢木」が収められていることから購入。本書は読むことに主眼を置いているため、梗概などがない。振り仮名は振られているものの、如何せん古い本なので漢字は旧漢字のため、読むのになかなか骨が折れた。また各曲に解説などがついていないため、解説集などが手元にあった方が内容は理解しやすいかも。読むことで詞章の美しさやリズムを知るのに良いと思う。2018/10/06
sukham
2
①1986年5月8日購入、復刊直後第10刷、初刷1935年②同著者・野上豊一郎『能の話』(岩波新書62)ヲバ併読。コチラは妻・作家の野上彌生子による跋文あり③「夜討曽我」〜〈クセ〉皆人の形見には手跡にまさるものあらじ、水茎の跡をば心にかけて問ひ給へ老少不定と聞く時は若き命も頼まれず老いたるも残る世の習ひ、飛花落葉[但し原文では❛飛火落葉❜]の理とおぼしめされよ④仏教用語が思いの外頻出。当時の武士(階級・階層・集団)には広く且つ深く浸透していたのだろう、仮令本来の仏典・概念から相当日本化されていたにせよ。2022/01/12
summer
1
とにかく読んだ!!謡曲をきちんと読むのは初めてで、なかなか内容が入らなかった。何かの機会に繰返し読みたい。観たことある曲もあったけど、こんな話だったんだ~と思うばかり。2020/07/28