出版社内容情報
日本の近代詩の出発点となった島崎藤村の詩は,近代日本の自覚期ともいうべき歴史的青春と,詩人および人間としての人生の青春と,詩の文芸ジャンルとしての若さとが相まって生み出された比類のない青春文学である.『若菜集』『一葉舟』『夏草』『落梅集』などより自選.各詩集初版本目次と校異を付す. (解説 吉田精一)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんすけ
18
無人島に本を一冊だけ持っていけるとしたら。 そんな問いかけのコラムを見て友人たちと語り合ったっことがあった。 ぼくの答えは『若菜集』。ニーチェかキルケゴールと思っていたらしい友人たちは驚いていた。 まだあげ初めし前髪の 林檎のもとに見えしとき 前にさしたる花櫛の 花ある君と思いけり 『破戒』映画化の記事を見て、しばらく感傷に浸りました。 2022/07/05
双海(ふたみ)
18
再読。以前読んだ時よりも詩に馴染めた感じがします。嬉しい。いい詩だなぁ・・・。2014/08/20
柏もち
12
七五調の詩文は美しいのだが、なんか馴染めない。選ぶ言葉が堅苦しいというか、比喩が多すぎるというか。なんだか感情をそのまま出さずに、一度理知的な目を入れて翻訳し直したみたいな、著者と私の間に壁がある感じがするから楽しめなかったな。2016/06/14
ダイキ
12
藤村の詩は本当に良いものだ。漢めいていない、西洋めいていない、純粋なる日本が感じられる。藤村の詩は日本の原風景が想見されるのである。こんなにも美しく素晴らしい世界がある、思いがある、そして、言葉がある、そう子孫に伝えたくなるような詩である。「合唱」などは、もし私に姉妹の子が生まれたら、是非暗唱出来るようしてやりたい。2014/11/30
屋根裏部屋のふくろう🦉
10
萩原朔太郎も素晴らしいが、どちらかといえば、島崎藤村の言葉とリズムにググッとくる。 おそらく言葉の調子が合うのだろう。七五調は日本語の持つ独特のリズムなので、この調子の上に言の葉がのっかかると魂が入り、小生の感情にぴーんと触れた感じがする。あくまで小生のばやいだけど。 2018/04/19