内容説明
祖父と母との不義の子として生まれた宿命に苦悩する人主公時任謙作は、単身、尾道に向い、千光寺の中腹の家を借り、一人住いを始める。しかし、瀬戸内海の穏やかな風光も、彼の心に平安をもたらさない。長年月を費してなった志賀直哉唯一の長篇。
著者等紹介
志賀直哉[シガナオヤ]
1883(明治16)年生まれ。1906(明治39)年9月、東京帝国大学文科大学英文科に入学。1910(明治43)年4月、武者小路実篤らと同人雑誌『白樺』を創刊。1949(昭和24)年11月、文化勲章受章。1971(昭和46)年10月21日、逝去
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感想・レビュー
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遥かなる想い
250
日本の古典的名作を無性に読みたくなり、 読了。読んでいてひどく懐かしく感じるのは なぜなのだろうか。時任謙作の心情はかつての 日本人が持つ道徳的な意識に支えられたもので 現代人には喪われた感覚である、 からなのだろうか。祖父と母の過ちから生まれ 悩み成長していく様は 昔の日本の風情があって 気持ちよい。現代人にはおそらく退屈な展開も 確かにそんな時代があったのだろう、ことを 実感させる本だった。 2016/03/24
michel
12
レビューは後篇にまとめます。2019/01/12
鱒子
12
図書館本。「小説の神様、志賀直哉」と聞くだけで、純文学の王道という堅そうなイメージを持ってしまい、今まで避けていました。正直な感想としては、あれ?意外と読みやすい。一文が短くてスッキリしています。持って回った言い回しなどない簡潔な文章。内容は女性関係や出生に苦悩する若者の話。エッセイっぽい匂いがかなりするのですが…邪推かなぁ。後編へ続く。2015/12/20
シェリー
12
主人公の時任謙作は、月9に出てくる高等遊民なのかな?小説家だがふらふら出歩いたり旅に出たり、出会う女性にことごとく魅かれていく。出生の秘密を知らされた時は苦悩もあったが、恋を断ち切る事は割とあっさり・・・している気がする。今後の展開を楽しみに下巻へ。2015/02/23
キョートマン
11
恋愛コンプレックスを拗らせすぎじゃない?2020/11/22