岩波文庫
随筆集 明治の東京

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  • サイズ 文庫判/ページ数 223p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003111628
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

代表作「築地明石町」などにみられるように,鏑木清方の画は,明治の東京の庶民生活を描いて他に類がないといわれるが,折々に書かれた彼のエッセイもまた,江戸や明治への郷愁を誘う美しい小品として忘れられない.「白足袋」「草双紙」「兎と万年青」「銀座回想」「芝居昔ばなし」「明治の東京語」「甘いものの話」等四○篇を精選.

内容説明

代表作「築地明石町」などにみられるように、鏑木清方(1878‐1972)の画は、明治の東京の庶民生活を描いて他に類がないといわれるが、彼のエッセイもまた、江戸や明治への郷愁を誘う美しい小品として忘れられない。「銀座回想」「明治の東京語」など38篇を精選。

目次

50年前
わが家の歴史
草双紙
山の手と下町
新富座
築地の河岸
銀座
狂言
江東の梅に思う
浜町にいたころ
明治の生活美術寸言
明治の東京語〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

81
この本と鏑木清方のことは全く知らなかったのだが、美しい表紙の絵に惹かれて本屋で手に取った。江戸から明治にかけての東京の生活や文化、風俗等がふくよかで端正な文章で描かれている。細部までこころくばりの行き届いた文章が素晴らしくて、読んでいると心の中に溜まった滓が静かに洗い流されていくような気がした。 ここで描かれている古き良き日本の文化が全く消え去ってしまったとは思いたくない。2013/11/23

ヒロミ

47
「築地明石町」などの数々の美人画で知られる絵師・鏑木清方。彼は随筆の名文家でもあった。過ぎ去りし明治の東京の面影が美しい文章で綴られている。あまりにも端正で行間から時代が立ち上ってくるかのようなその筆致は絵師の随筆というのを忘れるほど。私が中でも好きなのはきものや衣服に関するこだわりを描いた随筆だ。西の松園、東の清方とはよく言ったものである。鏡花や一葉の挿絵画家としても知られる我が邦随一の江戸っ子の粋を御覧じあれ。2015/10/05

mawaji

9
日経夕刊読書日記で西崎憲氏が取り上げているのを見て手に取りました。絵描きで文筆家といって思い浮かぶのは小出楢重くらいですが鏑木清方、面白かったです。江戸時代、幕末世代の大人たちと触れ合う中で京伝や広重の面影を感じつつ過ごした木挽町の様子や明治の風俗がノスタルジックに書き綴られていて、どのエッセイもぐいぐい引き込まれながら読みました。明治文化に育まれてきたものに一方ならぬ愛着を感じる様子は、私の年代になって遠い昭和を懐かしむ気持ちに相通じるものがあるように思いました。やはり言葉は移ろいゆくものなのでしょう。2019/06/30

Aleixo

6
明治の東京の香り芬芬たり。東京はわが故郷ではないが、漂う郷愁にやられてしまった。それにしても、筆の立つ人だ。藤田嗣治のエッセイを読んだときにも思ったのだけれど、下手な小説家よりも、ずっといい文章を書く。C+2014/06/02

YuiGaDokuSon

6
明治の東京が情緒豊かに浮かび上がる。江戸の香りが残る明治から、東京になって生まれた文化や町の風景を読むのが面白い。好きな食べ物や東京名物、建物や橋など、現在どれほど残っているのか調べながら再読したい。清方自身の挿絵がまたなんともいい。2010/02/26

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