岩波文庫<br> 遊仙窟

岩波文庫
遊仙窟

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 330p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003203514
  • NDC分類 923.4
  • Cコード C0197

出版社内容情報

唐代伝奇小説の一篇である『遊仙窟』は奈良時代に伝来してわが国文学に多くの影響を与えた.しかし中国では早く散逸,その文学史的意義を認めたのが魯迅である.本文庫は魯迅が序を寄せた川島校訂本を底本とし,翻訳にあたっては敦煌文書の研究成果にも拠って,華麗な原文の趣きを伝えるべく努めた.巻末に醍醐寺古鈔本の影印を付載.

内容説明

唐代伝奇小説の一篇である『遊仙窟』は奈良時代に伝来してわが国文学に多くの影響を与えた。しかし中国では早く散逸、その文学史的意義を認めたのが魯迅であった。本文庫は魯迅が序を寄せた川島校点本を底本とし、翻訳にあたっては敦煌文書の研究成果にも拠って、華麗な原文の趣きを伝えるべく努めた。巻末に貴重な醍醐寺蔵古鈔本の影印を付載。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しゅてふぁん

51
唐代伝奇小説である『遊仙窟』。古典や漢詩の解説を読んでいるとよく目にする。この作品は万葉集の大宰府文壇でも愛読されており、大伴旅人が松浦川の古伝説と遊仙窟とを結びつけて作ったという一篇のファンタジーが‘松浦川に遊ぶ(巻五/853-863)’となれば、読まねばならぬ!(笑) 訳のおかげもあって唐代に書かれたものとは思えないくらいに読み易かった。本文と同量の頁数がある訳注にはびっくり。万葉の人々と同じように読めてはいなくても、同じ作品を読んでいると思うと感慨深い。2019/02/09

姉勤

18
ある男が辺境への赴任の途中に迷い込んだ、山奥の洞。誘われるまま辿り着いたその先には、旦那不在の妖しきマダムと麗しき娘。 彼女らとのやりとりされる詩が物語の大半を占め、註釈が100ページ超という。そして、原典をスキャンした資料が80ページを超える、およそ素人向けとは言えない。学者向けの本書。 後腐れない、夢幻のような美人との一夜の契りという下世話な男のご都合全開を、高雅に仕立てる「教養」と云う名の 古典、故事に精通した詩のやりとりが、雅な前戯の様で、互いの器量を試し試されているようで。2014/12/05

misui

9
深山で仙女と歓を尽くす唐代伝奇小説…という知識だけあって想像を逞しくしていたが、実際に読んでみると喫驚するほど俗な内容で笑ってしまう。下ネタを詩に織り込んでいたり露骨な描写があったりと、さすが本国で忘れ去られるだけのくだらない内容ではあるのだけど、これを奈良平安の貴族がありがたがっていたと思えば趣深いのかもしれない…がまあやっぱりエロ本ですね。2017/03/09

Decoy

3
うーん、文学的価値は低いのでは? 出来の悪いエロ話にしか読めない…。「中国では早くに散逸」というが、要は大したお話ではないから、忘れ去られただけという気が。魯迅が意義を認めたといっても、「ふざけたところが多い」「詩もよくない」とも述べており、資料的価値のみの評価と思われる。「難解晦渋で知られ」とあるが、おそらく適当に書かれたものだから、意味が通らない点が多いのだろう。海外(日本)に伝わったことで、その地で過大評価され、1300年近くも読まれ続けてしまった、稀に見る幸運な書ではないか。2020/04/28

Yuko

1
縁あって読みました。ありがたいことに、この本をおすすめしてくれた中国人よる解説付きで❤️いやね、お前一体、何回「細い腰つき」言うねんwとか、色々ツッコミどころ満載で面白かったです。男ってさー今も昔もねー。ねー。ねー。男の浪漫てさー。ねー。だよねーwとしか言いようがない。 付録がとても充実していて、遊仙窟伝本のうち最古の写本である醍醐寺本印影転載がすごい。2018/01/12

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/100352
  • ご注意事項

最近チェックした商品