出版社内容情報
ルネッサンスから現代にいたるまでの欧米諸国において,もっとも大なる愛好と共感とをもって読まれた古代の作家といえば,いうまでもなくルキアーノスそのひとであろう.その機知豊かな諷刺,円転滑脱たる弁舌,聡明狡智の皮肉は,エラスムス,ラブレー以下,ハクスレイ,ジイド,アナトール・フランス等にまで影響を与えている.
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きりぱい
5
表題作が特に面白い。「なんでそんな暗い顔をしてるんだい、アポロン。」とかなんとか、ヘルメスとアポロンがやたらつるんでいる。パーンが「今日は、お父さん。」と言っているのに、角と髭もじゃ、蹄の脚などの格好を罵り、自分の子と認めたくない冷たいヘルメス。身に憶えはあるのにね。対話の中身は世俗の、じゃなくて、神の世の愚痴。特にヘルメス?「トクサリス」では五つの厚い友情が物語られるのだけど、アルサコマースの場合、侮辱というより完全に逆恨みじゃないの?と思うのだけど、友人2人も無茶だった!2011/01/16
刳森伸一
3
ルキアノスの風刺やユーモア、そして友情談義などが楽しめる傑作選。1900年ほど前に書かれ、訳も旧漢字を使った古いものだが、それでも本当に面白いから驚く。ルキアノスの傑作選は色々と読んできたが、内容は本書が一番いいかもしれない。2016/11/08
Fumitaka
2
里中満智子先生の漫画版ギリシア神話で、網で捕まえられたアフロディテとアレスを見たヘルメスが「アフロディテ相手だったら羨ましいかも」と正直なコメントをする場面がありましたが、『神々の対話』に似た場面を見つけ、ちゃんと元ネタがあったんだなと感じ入りました。『歴史は如何に記述すべきか』は、「歴史と詩を一緒にするな」とか「自国をよく描いて他国を悪く描くな」みたいな2000年前とも思えない諫言の連続で、まあ古代と現代じゃ感覚が違うでしょうが、似たような悪い例があったんだろうなと感慨深い気分になります。2020/01/13
Doederleinia berycoides
2
ルキアノスの文才には驚かされる。「神々の対話」は笑いが止まらなかった。随所に当時の風俗習慣が垣間見られた点も興味深かった。 2010/12/11
karatte
2
ちくま文庫の「本当の話」も復刊して欲しい。2008/05/10