出版社内容情報
中国数千年の歴史の中に,人間と宇宙の根源,社会の束縛の由来をたずね,「以太」(エーテル)という概念を用いて,その束縛からの突破を試みた思想書.清末の社会変革運動の担い手であった譚嗣同(一八六五―一八九八)の主著で,政治問題を始め産業育成論,ユートピア論,女性解放論等多岐にわたる問題を論じ,後の五四運動に影響を与えた.
内容説明
中国数千年の歴史の中に、人間と宇宙の根源、社会の束縛の由来をたずね、「以太」という概念を用いて、その束縛の突破を試みた壮大な思想書。清末の社会変革運動の担い手であった譚嗣同(1865‐1898)の主著で、政治問題をはじめ産業育成論、ユートピア論、女性解放論等多岐にわたる問題が論じられ、のちの五四運動に影響を与えた
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
6
解説によれは「数千年という時間の幅において、人間と宇宙の根源、社会の束縛の由来を追跡し、その束縛を突破しようという、実に規模壮大な構想」で書かれたという本。若き日の毛沢東が慕っており「譚嗣同の英霊が宇宙に満ち、二度と死滅すべくもない」とのべていたという。内容はエーテル=以太が全存在に偏在しており、エーテルの作用が仁・霊魂だという。もしかして西洋思想を懇切丁寧に紹介するより、ぶっ飛んだ方が効率的だった?「性はかのエーテルの用であるといえ、エーテルにはものをつくり、ものを愛する能力があるから、それで性は善」2021/07/29
CCC
2
著者は権力嫌い。そこは徹底してると思った。名への批判から倹への批判、そこからケインズ的な結論に着地する部分が笑えたw2013/11/25
tkm66
1
斜め読み2003/08/23
非実在の構想
1
仏教・儒教・キリスト教・墨家……。ありとあらゆるものをごった煮にして解釈しようとするところに時代を感じる。孟子によって仁が四徳と名付けられて名付けられたそのものとなってしまったという部分に起信論の影響がある気がする。2017/01/31
Tonex
1
時代の変わり目に書かれた本はいろんな意味で面白い。こういうほとんど誰も読まないようなユニークな本を愛読すると確実にユニークな人間になれるだろう。今読むと科学や宗教を恣意的に解釈したトンデモ本にしか思えないが、最近の自己啓発本やビジネス書も似たようなものかもしれない。/著者の譚嗣同は浅田次郎『蒼穹の昴』に登場するらしい。『蒼穹の昴』は読んだはずだが全然記憶にない。2014/07/09