岩波新書<br> 言語学とは何か

岩波新書
言語学とは何か

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  • サイズ 新書判/ページ数 227p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004303039
  • NDC分類 801
  • Cコード C0280

出版社内容情報

二十世紀の学問としての言語学は,進化論,マルクス主義から文化人類学までさまざまなその時代のイデオロギーや思想を背景にもちながら,何をめぐって争い,どのような方向をめざしてきたのか.ソシュールにはじまる言語学の流れを全く新たな視点からとらえなおし,人間にとって言語とは何かを問う.刺激に満ちた問題提起の書.

内容説明

二十世紀の学問としての言語学は、進化論、マルクス主義から文化人類学までさまざまなその時代のイデオロギーや思想を背景にもちながら、何をめぐって争い、どのような方向をめざしてきたのか。ソシュールにはじまる言語学の流れを全く新たな視点からとらえなおし、人間にとって言語とは何かを問う。刺激に満ちた問題提起の書。

目次

第1章 ソシュールの言語学(ソシュールの『講義』;ソシュールがたたかわねばならなかったもの;比較文法を称賛すると同時にそれを克服する;青年文法学派)
第2章 アメリカの言語学(心理主義の克服;オトからの出発;心理主義とのたたかい)
第3章 言語の相対性と普遍性(記述言語学とドイツ意味論学派;チョムスキーによる大転換)
第4章 社会言語学(社会言語学の必然性;言語とは変化するものである)
第5章 クレオール学とソビエトの言語学(言語の純粋、系譜主義とたたかう;ソビエト言語学)

著者等紹介

田中克彦[タナカカツヒコ]
1934年兵庫県に生まれる。一橋大学大学院社会学研究科修了。現在、中京大学教授、一橋大学名誉教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おはち

16
言語学の研究における、その対象と方法が混迷していた経緯についてがよくわかる。学問であるから必然的に過去の批判を繰り返しているけれど、結局は研究対象が広すぎるのだと思う。言語自体の本質を解明したい場合には社会性や通時性を(チョムスキーまでいくと意味さえも)切り離して考えるべきだし、生きた言語を研究するのであれば言語共同体やその共同体内の階層を考慮すべきなのは、振り返れば当然と思えてしまう。言語の変化が音韻法則のように自然的なものではなく、社会階層による人為的な変遷というラボフの指摘がとっても面白い。2021/09/05

takeapple

12
言語学の大まかな流れを確認しておくには良い本。田中先生の『ことばと国家』ととも読みやすい。田中先生はチョムスキーがお嫌いかな、『チョムスキー』と言う本もあるようなので読んでみよう。クレオール語研究も面白そうだ。2022/05/22

takeapple

9
著者の『ことばと国家』を学生時代に読んだのだが、今回、将来大学で言語学やろうかなという上の娘が読みたいというので、貸す前に再読。最近右派論客振りが著しい著者だが、言語学者としては至極真っ当な主張。2012/04/30

高橋大輝

8
本書では、言語学とは何かという問題に対し、その歴史的変遷を通じて探究していていく。本書で特徴的だったのは、ソシュール以前についての説明が充実している点だ。言語学は、印欧語族の発見に伴い、言語を科学的に研究するという機運の高まりに始まり、その機運はチョムスキーの生成文法において頂点に達する。その中間に位置するソシュールだが、意外だったのは、彼の理論は当時の言語学会にとって、特に真新しい点はなかったそうだ。彼の功績はむしろ、ソシュール以前の言語学の集大成を果たした点と、以後の方向性を決定づけた点にあるだろう。2017/11/14

讃壽鐵朗

8
著者があとがきで書いているように、この本は決して言語学入門書ではなく(事実、言語学専門用語が、何の解説もなく突然出てくる)、彼自身の言語学への思い入れの書、そして言語学への信仰告白のごときものである。それが、本来なら堅苦しいこの学問を極めて面白く理解させてくれる。2016/05/26

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