出版社内容情報
タータン柄のキルト,叙事詩「オシアン」などの「伝統」には,思いがけない起源があった.それはこの小国の描いてきた複雑な軌跡と深くかかわっている.聖堂や古城をめぐる旅から浮かび上がるスコットランド〈国民再生〉の歴史.
内容説明
氏族の誇りを示すタータン柄のキルトや民族の英雄叙事詩「オシアン」など、古代に遡る「伝統」とされていたものの思いがけない起源。それは英・仏という大国の間に挟まれ、内部には分裂を抱えたこの小国の複雑な軌跡と深くかかわりを持っていた。聖堂や古城、渓谷などをめぐる旅から浮かび上がる、スコットランド国民再生の歴史。
目次
はじめに 風景のなかのスコットランド史
第1章 二つの国―ハイランドとロウランド
第2章 聖人の国から聖書の国へ
第3章 合邦あとさき―悲しい結婚式の日
第4章 オシアン事件
第5章 キルトとタータンの国
第6章 “知”に生きる人びと―「スコットランド啓蒙」の内側
第7章 “実”の世界をつくる人びと
著者等紹介
高橋哲雄[タカハシテツオ]
1931年神戸市に生まれる。1954年京都大学経済学部卒業。専攻はイギリス近代史。現在、甲南大学・大阪商業大学名誉教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雲をみるひと
31
スコットランドの歴史がテーマ。あまり馴染みのない地域で決してわかりやすいとは言えないもののイングランドやアイルランドとの関係も踏まえスコットランドのアイデンティティが形成されていった経緯がよくまとめられている。世界史の教科書ではカバーされていないスコットランド視点からのUK史にも触れられる良本。2022/11/29
Panzer Leader
19
海外ドラマ「アウトランダー」を見ていたらその時代背景となるスコットランドの歴史に興味を持った。 タータン柄のキルトを廻る話の事とか、江戸末期~明治に来日した多くの英国人がスコットランド人だったとか結構知らなかった事が多く興味深く読めた。時代を区切って語っているのでコンパクトで読みやすい良書。 2015/10/12
ごへいもち
15
スコットランドのことが少しわかったと思う2023/06/30
hal
10
アイルランドやイングランドとの比較を混じえつつのスコットランドに関しての本です。これまで「イギリス人」として認識していた有名人の多くが実は「スコットランド人」であったと知り、なかなか興味深いです。対イングランド百戦百敗のおとぎ話の国アイルランド、合理主義者で、小国なのにヨーロッパでも1・2を争うWarriorの国スコットランド。実学に強くケチなマック達に乾杯です!2018/08/21
ふみえ
9
アウトランダーを観ていて訳分からない事が沢山。ざくっとスコットランドの歴史をと思い読む。数年前も独立の話題があったが、根深いな。ドラマの台詞の意味も分かった。感謝。2022/02/12
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