講談社学術文庫
隠者の文学―苦悶する美

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  • サイズ 文庫判/ページ数 285p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784061595217
  • NDC分類 910.24
  • Cコード C0195

内容説明

隠の精神とは何か。飛び立つ鴫、蘆の枯葉、その中に万有の寂寥と人生の無常を感じ、それを深い美へと昇華させた中世草庵の人々。閑寂な生活、人間の性の直視、漂泊の旅と絶対の孤独。長明・兼好・西行の隠の三つの様式を分析し、俳諧・石庭・利休の茶など、日本文化の底流を貫く「わび」「さび」の精神のルーツと本質を明らかにする。

目次

1 点描―序にかえて
2 隠者と隠者文学
3 隠遁
4 西行
5 長明―『方丈記』
6 兼好
7 連歌
8 茶―隠者的なるもの

著者等紹介

石田吉貞[イシダヨシサダ]
1890年、新潟県生まれ。元昭和女子大学教授。1987年没
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感想・レビュー

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Neuroticism

3
各論(西行、長明、兼好)に入る前までしか読めてない。隠者の文学にある美について分析されていた。隠者とは、隠遁生活をする者。隠遁とは、まず社会離脱である。世間から離れて山奥に孤独に暮らす。同時に人間離脱である。人間が抱える六欲煩悩(名声欲など)を棄て去る。そのような極限の孤独と貧窮から、与えられた大自然を見つめ、何かを得る。そのようにして、隠者が美を見出す…というのが自分の解釈。本書に期待したのは、隠者のあり様の把握だったが、内容は隠遁文学を対象とした美学に近いかな。2023/07/02

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