講談社学術文庫
中国古代の科学

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  • サイズ 文庫判/ページ数 213p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061596542
  • NDC分類 402.22
  • Cコード C0140

内容説明

羅針盤・紙・印刷術・火薬。近世ヨーロッパの開幕を招来し、人類の歴史を飛躍的に発展させた発明は古代中国に生まれた。文明は東から西へ―。本書は、東アジアにおいて構築された高度な科学技術の独自性を体系的に解明し、西洋に偏向して語られてきた近代以降の科学史に楔を打つ。世界史的な視座から見た科学文命の位置づけとその交流とは何か。

目次

1 文明の起源
2 青銅から鉄へ
3 百家争鳴の時代
4 天文と地理
5 中国の医学
6 二、三の科学器械
7 中国人の発明
8 中国の文明

著者等紹介

藪内清[ヤブウチキヨシ]
1906~2000。京都帝国大学理学部宇宙物理学科卒業。京大理学部副手、東方文化学院京都研究所所員、京大人文科学研究所教授、同所長を歴任。専攻は中国科学技術史、天文学史。理学博士
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感想・レビュー

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中島直人

6
古代中国における技術的な発展度合いに関する、客観的でかつバランスの取れた分析。東洋と西洋の各々の文明を相対化して見れるようになって初めて、しっかりとした価値判断が出来るようになるのではないか。2014/04/24

GEO(ジオ)

3
所謂世界四大発明は全てその基礎が中国で完成し、それがシルクロードを伝い、ヨーロッパへ伝わっていったもの。必ずしも東洋は西洋に遅れていたわけではない。むしろ、近代以前は東洋の方がすすんでいたのだ。2014/07/02

とったん

0
これまで、中国に近代科学が起こらなかった原因として「述べて作らず」という儒教の伝統によるものだと考えていたが、実際には中国でも世界に貢献する発明は多く為されていた。科学の妨げになる思想はキリスト教にも当てはまることで、洋の東西で変わりはないだろう。近代科学の元になったギリシャ哲学は、一度イスラムに避難しており、そこから中国へ伝播できれば東西は対等だったはずだ。思想が一時避難できる場所という意味でも隣接文明が重要だろう。孤立した文明では一度焚書があれば、知的伝統は継続することができない。2012/01/09

霹靂火 雷公

0
時系列に沿って中国古代王朝の文化を概観し、四大発明(羅針盤・製紙法・印刷術・火薬)へと視点を換える構成。 現代において世界的に覇権を握る西洋文化隆盛の契機となったのは中国の科学技術であり、中国において学問が発展し得なかった理由を、凡ての物事に政治的影響が濃い「中華思想」に求めている。 非常に読み易い筆致と構成は時代の差(1964年刊の再版)を感じさせず、中国に対する理解が乏しい現代だからこそ読まれるべき著作だと思う。2013/02/11

朝霧 紅玉

0
文献や出土品から、古代中国の科学力がどの程度であるかについて言及している。合金の比率、暦の観測など他の中国史関連書籍ではお目に掛かれない話が沢山載っている。

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