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出版社内容情報
【内容紹介】
天才ペンローズの考え方が浮き彫りになるスティーヴン・ホーキングらとの論争。
心はいかにして生まれるか──人間にとって最大にして最後の謎をめぐって現代科学界最高の知性が集う
人の心が脳という物質から生まれるのなら、物理学で解明できるはずではないか!
「宇宙・量子・人間の心」の謎を一挙に解く量子重力理論の完成をめざして天才ペンローズが果敢に挑戦。A.シモニー、N.カーライト、S.ホーキングが批判を加え、それにペンローズが回答する。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
76
ペンローズのレクチャーと3人の有名な学者との討論を収めています。内容は非常に高度で若干難しいと思いました。本当はこの元になった本の「心の影」をじっくり読まないとわからない部分があるのではないかと思われました。ただ専門家ではないので、この本で雰囲気だけを楽しむのもいいのではないかと思いました。2015/10/04
aiken
16
1999年の本。難しい。物理をかじった学生時代に読めば理解できたかなあ。天才数学者の妄想。物理は数学の言葉を借りないとお話が出来ない。物事を認識する学問に妄想の塊である数学をあてはめたのが物理学。地動説から宇宙の始まり、小さな原子の仕組みも説明できた。そこで、金づち持ったらなんでも釘というように生物学や脳科学も制覇しようという妄想の本だった。ただそれは。物理学者ではなく生物学者がやればいい。エントロピー拡大に逆行するように見える生物の営みを物理法則として示してやれば、物理屋はシュンとなるしかないだろう。2022/02/25
よしひろ
11
すごく素敵な本だった。物理学が心の問題に解答を示す最適な学問であるという、不思議な主張で貫かれている。宇宙の話が出てくる。それでいて、物理学が万能の学問ではないことを骨の髄から知っている。多分に文系の感覚でも理解できるような独特で新鮮な説明をしている。対極にあると思われるような学問を結びつける役割は、とても意義深いと思う。2015/09/04
ブック
8
面白い本であった。すべてを理解できるわけではないが、ロジャー・ペンローズという人物がどれほど頭のいい人なのかはよくわかる。前半は一般相対論などの解説でそこも面白い。次に量子論があって、それから心の話に入っていく。ペンローズ自身は今の量子論は不完全であり、人の意識を物理現象として説明する新たな量子論が登場しなければならないとしている。私は人間の意識は脳だけで生まれるものではないのではないか?と考えている。脳のない生き物でも意識を持っている可能性はあるし、ひとつひとつの素粒子に意識がある可能性もあるからだ。2023/02/16
roughfractus02
6
なぜ計算可能なニューロン過程としての意識から計算不能な知性が生まれるのか?と著者は問う。決定論的物理主義に対し、ゲーデルに依拠して非決定論を主張する本書は、環境から孤立できる巨大な量子状態では波動関数の自律的収縮(OR)が起こり、すでに決定されているがアルゴリズムでは計算不可能な意識が生まれるという仮説を立てる。一方質量による時空構造の小さな歪みに注目し、質量密度の重力場の反映に焦点を当てる量子重力理論から、意識は量子力学の収縮過程と関係するとする。最後にこの仮説へのホーキングらの反論と著者の回答がある。2017/06/09