内容説明
ポリス最大の悪徳“ヒュブリス”とは何か。ソクラテスの倫理革命、プラトンの哲人王論、アリストテレスの政体論から古代ローマの政治論争まで、第一人者が語る古代思想の真髄。
目次
第1章 ソクラテス以前とソクラテス―人間にとっての政治(掟、ノモス、傲慢;ギリシア的な政治―ポリスと自由人 ほか)
第2章 プラトン―哲人王の意味するもの(イデアと人間;魂と政治)
第3章 アリストテレス―ポリスと人間の諸相(経験的分析の視座;実践の概念と学問分類 ほか)
第4章 ヘレニズム諸派の時代へ―大帝国の出現と脱ポリスの哲学(アリストテレスとギリシア的伝統;ヘレニズム世界と哲学の変容 ほか)
第5章 古代ローマの哲学と政治論―政治の意味と無意味(ローマのジレンマ;キケロ ほか)
著者等紹介
佐々木毅[ササキタケシ]
1942年秋田県生まれ。東京大学法学部卒業。東京大学法学部教授を経て、東京大学総長。専攻は政治学、政治思想史
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感想・レビュー
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Moloko
4
ギリシアのソクラテス以前の思想、ポリスとの緊張をもたらしたソクラテスの「魂」の哲学、ポリス政治と「魂」の架橋を試みたプラトン、脱ポリス的傾向を強めた観照的生活を説いたアリストテレス、完全に脱ポリス化して個人主義的な思想に転化したヘレニズム思想、そしてプラトンの影響を強く受けて内戦化したローマでの共和制と正義を接ぎ木しようとしたキケロ、最後に自由が犠牲にされたローマ皇帝の独裁のもと脱政治的な哲学を説いたセネカで話が終わる筋道で分かりやすかった。現代との繋がりでは共和制と平和、平和のための戦争等を述べている。2017/01/20
貧民
0
読みやすかった2014/10/12