集英社新書
中華文人食物語

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  • サイズ 新書判/ページ数 218p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087202922
  • NDC分類 383.8
  • Cコード C0276

内容説明

中華料理は食文化の巨大な華である。その味わいの豊かさ、食材の多様さ、時には挑戦的ですらある珍味と趣向の数々…。このような文化は、誰が育ててきたのか?民衆がいる。皇帝がいる。そして文人墨客がいる。東坡肉は宋代の詩人蘇東坡が不遇な時代に好んだ食物であり、スッポン料理は覇王別姫の悲話を今に伝え、後の世まで捏ねて焼いて揚げられる羽目になった為政者もいる。この本は中華料理と中国文学を愛する著者が、実体験を基に薀蓄を傾ける、『読む酒肴』である。

目次

東坡肉
蘿蔔漫談
覇王別姫
一字乾坤

チャプスイの話
馬肝
犬と魯智深
憎い敵を食べる話
袁枚と王小余

著者等紹介

南条竹則[ナンジョウタケノリ]
1958年東京生まれ。作家。東京大学人文科学研究科英語英文学修士課程修了。学習院大学、立教大学講師。比較文学を講ずる。『酒仙』(新潮社)で第五回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

30
日本人にもなじみ深い(一部除く)中華料理にまつわる面白歴史エピソードを綴ったエッセイ集。料理の誕生や命名の謂れなど知らない話ばかりで楽しく読めたが、食べたことのない料理が多かった。東坡肉やナマコはともかくスッポンの「覇王別姫」や馬肝は初耳だし、大根料理やチャプスイも知るものとは明らかに違う。まして憎い相手のものでも人肉(!)料理など食いたくない。テーブル以外の四つ足は全て食うと豪語する中国人の、歴史に根差した爆買いならぬ爆食パワーを見せつけられた気分だ。そのうちパタリロ並みに地球を食い尽くすのではないか。2020/08/16

佐倉

15
夏のグランドホテル『チャプスイ』の作者の南條氏による中華料理についてのトリビア集を見つけたので読破。豚肉好きな蘇東坡の東坡肉、生で瓜みたいに水分補給的に食べるものから大根餅的な東坡羹という食べ物まで様々な大根の食べ方、ハカマなる部位の美味しさや鶏肉と合わせた料理など多彩な鼈(すっぽん)の世界、海鼠や鯉に犬などの珍味、そして小説でも書かれたチャプスイの入り組んだ歴史まで非常に様々な中華料理の文化の世界が垣間見える。食べたくなるのはやはりチャプスイ/雑砕/雑炊か甘酢で揚げた鯉料理の糖醋鲤鱼か…2024/05/17

じろう

2
わりと中華料理でもマイナーっぽいのが紹介されている。すっぽん料理、犬料理、鯉料理、人肉料理、雑炊など。遊牧民の王朝のときは犬を食べるのは禁止。フォーチュンクッキーはアメリカ発祥。コウモリ料理は出てこなかったなあ。2020/05/07

madhatter

1
岳飛廟で縛られてるのが韓世忠と書いてあった記憶がある。四大武将ではあるが、張俊の間違いである。

tarazanzan

1
流れるような文章で読みやすかった。料理の匂いがしてくるような錯覚が。知識豊富ですな。2011/02/24

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