中公新書<br> 悪名の論理―田沼意次の生涯 (復刻版)

中公新書
悪名の論理―田沼意次の生涯 (復刻版)

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  • サイズ 新書判/ページ数 184p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121701879
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C1221

内容説明

ナポレオンはメッテルニヒを「世紀最大の嘘つき」と呼び、一度はその愛人だったこともあるリーフェン公爵夫人さえもが、「世にも稀れな偽善者」とののしった。田沼意次の場合も嫌われかたがよく似ている。徳川の為政者中、彼ほど世間から口汚く罵倒され、あげくは汚辱の淵に蹴落されて深く沈淪しているものはない。東西をとわず悪名高い為政者には共通の政治的性格の特徴があるが、不評の条件とは何か。意次の生涯をたどって追究する。

目次

序章 不評の条件
1章 絶頂への登攀
2章 派閥と人脈
3章 政治の仕事師
4章 おろしや・おらんだ
5章 運命の大詰

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mazda

19
将軍がアホだったので田沼に全権移譲したら、庶民は田沼が将軍を丸め込んだ、という感じで捉えていたんですね。できが良くて出世すると、周囲の妬みを買ってしまうんでしょうね。今の時代に欲しい人材だと思います2018/11/22

ともぞう

6
田沼意次の生涯を描いた本。由緒ある血筋の出身でないのに老中にのし上がった時点で無駄な反感や嫉妬の的になり、やることなすこと先進的で思いきった改革を実行するけれど、まだまだそれを受け入れる地盤が無く大半の人には理解すらされない。事なかれ主義とか無難にやり過ごすタイプではないから敵も多い。そこへきて自然災害の連続で国全体が困窮しきっていた不満を誰かのせいにして慰めにする、その格好の対象になってしまい自然災害すら意次のせいだ!と言われる始末。もうなんだか気の毒。生まれてくるのが早すぎたのかと思わずにいられない2017/03/19

ダージリン

1
柳沢吉保の本を読み、もう一人の不人気の権勢人に関心をもった。なぜあれほどの出世をしたのか、今一つ分かりにくい面はあるが、度量の大きい開明的な人物だった気がする。後の松平定信の狭量さとは良い対比を成している。田沼時代は異常気象による旱魃といったことが不利に作用し、天災など不可抗力の事象を含め田沼の悪政が原因とされてしまった面があるのではないか。あの時代、誰が政権を担っても厳しかったことであろう。それにしても、大奥や御三卿などとの権力を巡って思惑が蠢く様は面白かった。2014/08/08

壱萬弐仟縁

0
「民衆は小児のように単純だ。民衆は、人間を善悪どちらかに分けないえは気がすまない。善人でないなら、悪人でなくてはいけない。そして善人悪人それぞれに型がある。はじめは悪人が栄えて善人が苦しむが、やがて天定まって人に勝ち、悪人ほろんで善人が栄える、ということになって民衆は拍手喝采する」(138ページ)。なるほど、民衆の考えは、勧善懲悪で、水戸黄門も年配者に人気なのは理解可能であろう。民衆はその点、扇動されやすいのだが、判断能力を高めるには学問が必要になる。問題提起し、問題を解決していくには民衆次第だろうか。2012/08/09

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