NHKブックス
大衆新聞がつくる明治の「日本」

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140019528
  • NDC分類 070.21
  • Cコード C1321

内容説明

文明開化の時代、身近に迫る大きな変革の波を、人びとはどのように知り、どう受け止めたのか。同時代に大衆向けに刊行された『読売新聞』等の記事を詳細に分析すると、明治という国家を受け入れようと悪戦苦闘する人びとの姿が浮かんでくる。新しい国家像を受容し、国民に作り替えられていく人びとの姿を描き出し、明治国家の形成に及ぼした大衆新聞の影響力を探る。

目次

序章 大衆新聞『読売新聞』の出現
第1章 『読売新聞』の位置
第2章 明治という国家の支配の網目
第3章 識字社会の様態
第4章 「事実」の時代
第5章 物語としての新聞
第6章 読者の欲望の行方
第7章 懲戒する新聞
第8章 スキャンダラスな眼差し
終章 表象のなかの近代社会

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Yonowaaru

1
明治初期に創刊された「読売新聞」を読み解くことで、明治日本という「国家」の成立を考えるという、かなりの偉業ともいえるものだが、やはりこれはただの第一歩だろう。フィクションと事実、実録と文学の考察が面白いにしても、些か疑問に思うのは、寄書(投稿書)が本当に当時を生きた人間によるものかどうか、検証できないというところだろう。読売新聞がいかに明治政府に忖度していたのか、いかほど自分らの表象が「国家」というものに貢献していたことに対し自覚的であったのだろう。上野千鶴子や落合恵美子などの引用も嬉しく思う。2020/04/11

おたきたお

0
新聞の創成期の役割は新政府のおふれの啓蒙であり、識字向上=地域コミュニティによる間接統治から政府直轄統治をめざす新政府の目論見と、部数拡大をめざす新聞社の意図が一致したものだろう。同時期には、盲人の職能集団「当道座」の解散にみられるように血縁・地縁的な共同体を解体させており、そのことと同時進行していることは注目に値する。血縁・地縁で成り立つ社会であれば共通話題はFace to Faceのコミュニケーションで充分成り立つが、近代社会のコミュニケーションを成り立たせるためのメディアとして、新聞はその基幹部分を2006/01/01

じめる

0
どのようにして新聞が人々の生活に浸透していったのか、もちろんその背景には以前の生活すら罪とするような大きな時代の変化がある。近代は新聞とともに始まるのではなく、もはや新聞が近代という時代を作っていくようにさえ見える。新聞は近代をつくるための装置として監視の目の機能を果たすようになるが、それは新聞が人々を、そして国家を、時代を反映するからだった。2013/12/06

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