内容説明
日の丸の赤は太陽の色だが、多くの国で国旗の赤は建国の犠牲となった人びとの血の色である。イスラーム教国の国旗に緑が多いのは天国にあるコーランの原盤が緑色だから。白羽の矢が立つのは実は不幸なこと。サンタクロースの衣装は赤ではなく、ウェディングドレスも白ではなかった。日本で喪服が黒になったのは明治時代より後。このように、色彩にまつわる故事来歴、そして色のイメージは、各民族が幾世紀にもわたって育んできた文化そのものといえる。色彩に隠された民族・国家の歴史を解く。
目次
第1章 東西南北にも色がある
第2章 国旗のなかの色彩の世界
第3章 聖書のなかの色彩地図
第4章 イスラーム世界の緑色
第5章 赤の語源は血!
第6章 青い血の謎
第7章 皇帝色、黄禍、そしてユダヤ人の色
第8章 白い世界と黒い世界
第9章 歴史のなかの色彩地図
色彩の小事典