内容説明
本書は、社会福祉実践における「ゆらぎ」を論じる。ここでいう「ゆらぎ」とは、実践のなかで援助者、クライエント、家族などが経験する動揺、葛藤、不安、あるいは迷い、わからなさ、不全感、挫折感などの総称である。筆者らは、社会福祉実践はこれらの「ゆらぎ」に直面し、「ゆらぎ」を抱え、「ゆらぎ」という体験から何かを学ぶことによって、その専門性や技術を高めることができると考えている。つまり、「ゆらぎ」を単に否定し、排除すべきものと捉えるのではなく、「ゆらぎ」という経験こそ、社会福祉実践の原点であると捉える。
目次
「ゆらぎ」からの出発―「ゆらぎ」の定義、その意義と課題
「共感」について―「わからなさ」と「他者性」に着目して
「ゆらぎ」と私のインターフェース
癌ターミナル期家族のゆらぎと援助者のゆらぎ―ゆらぎの分析と活用
保健婦の成長と「ゆらぎ」の体験―「ゆらぎ」を受けとめ、表現する力
「ふりまわされる」ということ―援助関係における一つの「ゆらぎ」に注目して
「共に生きる」という関係づくりとゆらぎ
実習教育と「ゆらぎ」―学生と教員のスーパービジョン関係について考える
社会福祉の共通認識をつくる―福祉教育実践における「ゆらぎ」
時代と社会福祉実践、そして「ゆらぎ」―「幅」「軸」「多様性」に注目して
ソーシャルワーク実践における曖昧性とゆらぎのもつ意味
「ゆらぐ」ことのできる力―「ゆらぎ」を実践に活用する方法
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