内容説明
百年たっても戦争の理由はあまり変わらない。国益になるから、あるいは国益が損なわれそうだから戦争を仕掛ける。だからこそ自国の正しさを主張し、敵国をおとしめようとする。だからこそ、「勝利を目指し、打って一丸となって戦おう」といった勇ましいメッセージが発せられる。しかし最後には戦争による深い傷跡が残される。こうした戦争の諸相を、アヘン戦争や第一次・第二次世界大戦、中東戦争、朝鮮戦争、湾岸戦争、イラク戦争といった世界各地の戦争に材を取り、国家のメディアたる切手や郵便物を通して描く。
目次
第1章 この土地は我々のものだ!
第2章 我々は正義のために戦う!
第3章 若者よ、祖国のために戦え
第4章 憎むべき敵の所業、嗤うべき敵の姿
第5章 世界は我々の味方だ
第6章 銃後だって戦場だ!
第7章 そして、戦いは終わった
著者等紹介
内藤陽介[ナイトウヨウスケ]
1967年東京都生まれ。東京大学文学部卒業。郵便学者。切手の博物館・副館長。切手などの郵便資料を用いて、国家や地域のあり方を解読する「郵便学」を提唱し、旺盛な研究・執筆活動を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ささぬき
0
戦争に使われた切手が、とにかく沢山載っている。たまにはこういう新書も面白い。ただ、郵便を学問にしちゃうのは如何なものか。2012/10/05
ねぎとろ
0
国家独占事業である郵便に利用される切手には、その時の国家の意志が露骨に表現される。このことに注目し、ある切手を取り上げてその切手が発行された背景を説明する。貴重な切手や個々のエピソードはそれなりに面白い。ことにイラン革命後の外交戦略の一端としての切手の数々は興味深い。しかし、話が平板というか、エピソードが延々と続くだけなので、もう少し全体のストーリーがあったらもっと面白かったのにとも思う。2012/08/12
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