出版社内容情報
精神分析の眼で文学作品を読むということは、テクストに従来とは異なった次元を開示してみせることであり、同時にエクリチュールの発生と機能を観察することである。無意識を読むフロイトの試みを紹介しながら、文学をよりよく読むためのテクストの精神分析的アプローチの多様な方法を解説する。
目次
第１章 フロイトとともに読む
第２章 〈無意識〉を読む
第３章 自分自身を読む
第４章 〈人間〉を読む
第５章 人物を読む
第６章 テクストを読む
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星規夫
0
何でもかんでも性衝動に結びつけるフロイトの精神分析の方法に辟易とすることが多く、たまにフロイトをネタにした文学論文を読んだりすると「今さらフロイトかよ！」と思うことが多かった。しかし、問題なのは方法ではなく、方法を用いる人間が盲目的・教条主義的にそれに取りつかれることなのだなあ、と読んでいて思った。「（テクスト中に見られる）力と形式の分析が重要」（大意）という著者の言葉を覚えておきたい。2012/09/04
