内容説明
恐ろしい闇の力を秘める黄金の指輪をめぐり、小さいホビツト族や魔法使い、妖精族たちの果てしない冒険と遍歴が始まる。数々の出会いと別れ、愛と裏切り、哀切な死。全てを呑み込み、空前の指輪大戦争へ―。世界中のヤングを熱狂させた、不滅の傑作ファンタジー。旧版の訳にさらに推敲を加え、新たに『追補編』を収録した「新版」です。トールキン生誕100年記念出版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
syota
36
ハイライトは言うまでもなくゴンドールでの大会戦。映画では輝かしい大勝利が強調されていたが、原作を読むと圧倒的なモルドール軍に対する単なる一時的勝利、という色彩が濃厚だ。やはり指輪を消滅させない限り、中つ国に未来はない。勇敢な登場人物が多い中で、一人だけうじうじ悩んで発狂してしまう執政デネソールが哀れだが、モルドールと直接対峙するゴンドールの最高責任者として長年サウロンから圧迫を受け続ければ、生身の人間なら心が萎えてしまうのは当然だろう。トップの重圧と孤独を感じさせる一幕だった。[G1000]2018/02/10
みけのすずね
16
ガンダルフとピピンはミナス・ティリスのデネソール候に謁見し、アラゴルン一行はローハン軍と分かれて先の見えぬ死の道へ向かう。「なぜ(ファラミアと)枕を並べて死んではいけないのか?」と言わしめるまで闇につけこまれていた大候。エオウイン姫の意思と勇気ある行動とともにするメリーも深手を負い、ピピンと再会できた時は心底嬉しかった。素朴で純真なホビットが傷つくのは、つらいもの…高尚なものばかりでは一生暮らせないけど、自分が愛するのにふさわしいものをまず愛すのが最善じゃなかろうか。と話す二人の成長にしみじみ。2017/02/05
はる
15
図書館本。図書館の本を期限ぎりぎりまで連れて読んでいる。旅も長くなってきたけれど手放すことができない。辛いことを読み返し、辛いなかにもほっとする箇所を読み返す。ピピンがデネソールに身命の奉公を捧げ嘉納される場面、またメリーがセオデンに剣を捧げる場面など、(離れていても君たちは同じような事しているね。食べることも忘れていないし)と一息。死に行くものは死に行き、残るものは残りながらも辛い巻。2015/05/17
あつお
10
如何なる時も、駆けつけてくれる仲間がいるのは頼もしいですね。 ある目標達成のテクニックでは、途中にある障害とその障害を克服するための選択肢を検討するように述べています。窮状に颯爽と現れるアラゴルンの姿は、障害を諸友しない力強さを感じました。感動のシーンですね。 とは言え、時間稼ぎに過ぎないこの現状。最終巻でどう展開していくのか楽しみです。2021/12/14
温
10
物語はいよいよ佳境へ。悲壮な戦いが続き、登場人物が次々と亡くなっていくのでつらい巻でした。ファラミアと父デネソールの一連のエピソードは切なくて泣きそうになりました。フロドとサムのゆくえも気になるので、次の巻も絶対読みます。2014/10/07