内容説明
本書では、江戸時代を通じての碁打ち・将棋指しの実態を解明する。将棋の大橋本家に遺された古文書から明らかにされる新事実の数々。年に一度の江戸城内での対局「御城碁・御城将棋」の様子、「碁所・将棋所」の実情、碁家・将棋家の暮らしぶり…。従来、史料も乏しく詳細な研究のなされていない分野であるが、本書によって、近世遊戯史は大きく書き換えられることだろう。
目次
第1章 新事実の発見
第2章 勤仕の真相
第3章 奥御用と将棋所
終章 碁家・将棋家の困惑
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
memoma
1
「大橋家文書」に拠って江戸期の碁打ち、将棋指しがどのような生活をしていたのかを見ていく本。今まで持っていた御城碁、本因坊のイメージが少し変わった。御城碁は巷間に言われているほど高尚なものではなく実際に将軍が観戦することは稀であったようだし、城内の人間からすれば儀式的なものにすぎず内容、結果よりも何時に終わるのかということのほうが断然重大な形骸化したものだったようだ。また、本因坊も技量の向上を目指すのは当然として、扶持を維持、拡大することにもそれなりに尽力していたらしい。思っていたよりも卑近な感じを持った。2016/08/01