内容説明
バブル期は過ぎたが、特徴ある建物が今も数多くつくられている。都市に人が住んでいる限り、現代建築はなくなることがない。ここ数年の日本を代表する建築作品について、ケータイ、リサイクル、ガーデニングなどのキーワードをあげて、そのつながりを読み解いたユニークな建築案内。
目次
序論 崩壊する建築・再生する建築
第1章 マテリアル系
第2章 記憶系
第3章 ナチュラル系
第4章 IT系
第5章 グローバル系
第6章 モード系
第7章 ライフスタイル系
著者等紹介
飯島洋一[イイジマヨウイチ]
1959年東京都生まれ。建築評論家、多摩美術大学助教授。早稲田大学理工学部建築学科卒業、同大学大学院修士課程修了。96年、日本文化デザイン賞受賞。99年度アーキテクチュア・オブ・ザ・イヤー展プロデューサー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nbhd
11
90年代~00年代初頭までの建築短文論評。▼共感1…「お台場のヴィーナスフォート」は、空間が閉めきりになっていて感覚的に息苦しい。その状態が非日常のヨーロッパ感を高めているのだけど、ウソヨーロッパ感はぬぐえない。▼共感2…「有楽町の東京国際フォーラム」はとても大きな建物だけど、いつ行っても全棟がフル稼働しているかんじがしない。建築としては失敗らしい。2017/06/16
おくりゆう
11
建築用語ではないケータイやP音、エスニック、リミックスなど現代的なキーワードを用いて建築を考えるという試みが単純におもしろく、建築だけでなく、現代社会についても考えを巡らす機会を得ることができる一冊。写真が少ないため実際に見に行きたい気持ちも沸々と。2016/02/07
ネムル
8
一つの建築につき写真一枚、図版なしということもあって、文章の紹介だけではイメージがつかみにくい。ただし、マテリアル・記憶・IT・グローバル……という現代問題に結びつける章立てからの紹介法はいい。なかには辛辣なコメントを寄せる建築もちゃんと載せる公平な姿勢も好き。2015/01/12
デコボコ
1
60の現代建築を選び、白黒写真に簡単な解説を添えた本。勉強にはあまりならないが、読み物としては楽しい。2013/02/20
シロクマぽよんぽ
0
2003年の本ゆえ内容が古くなっている感は否めないが、それでも建築入門としては十分な内容だろう。家族観、社会観、自然環境との共生、グローバリゼーションやジェンダーなど、背景にある思想が各々の建築から読み取れる。建築への興味関心にかかわらず、高校生にも読ませたい1冊だ。2020/11/11