内容説明
第一次世界大戦後に版図が史上最大規模になったイギリス帝国のその後の歴史は、帝国とこれに依拠したイギリスの世界的地位を維持するための苦闘であった。世界戦争と革命の時代にイギリスはどのように対応したのか、また、世界戦争と革命はイギリス帝国にいかなる変容をもたらしたのか。本書は、2つの世界大戦と冷戦期におけるイギリスの対外政策を考察し、戦争や革命がイギリス帝国に与えたさまざまなインパクトと帝国の変容あるいは再編過程を明らかにする。帝国の絶頂期から、やがて押し止めるべくもない脱植民地化へ向かう過渡期に位置するこの時代のイギリスとイギリス帝国の考察を通して、第一次世界大戦、第二次世界大戦、冷戦という「3つの世界戦争」を戦った20世紀の世界の特質に迫る。
目次
世界戦争の時代とイギリス帝国
第1部 イギリス本国(第一次世界大戦とイギリス帝国;第二次世界大戦とイギリス帝国;冷戦時代のイギリス帝国)
第2部 帝国内諸地域(中東のイギリス帝国;二つの世界大戦とインド民族運動―英印関係における政治的イニシアティヴの転換;イギリスと日本―東アジアにおける二つの帝国)
第3部 帝国の諸相(イギリス帝国の農業問題;第二次世界大戦期の駐英黒人米兵―人種主義とファシズム;ベトナム戦争とコモンウェルス・ミッション構想―一九六五年のウィルソン政権の和平外交)
著者等紹介
佐々木雄太[ササキユウタ]
1943年北海道生まれ。1969年京都大学大学院法学研究科博士課程中退。愛知県立大学学長、名古屋大学名誉教授、法学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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