歴史文化ライブラリー<br> 毘沙門天像の誕生―シルクロードの東西文化交流

歴史文化ライブラリー
毘沙門天像の誕生―シルクロードの東西文化交流

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  • サイズ B6判/ページ数 190p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784642054812
  • NDC分類 718.1
  • Cコード C0320

出版社内容情報

四天王・七福神の一人として著名な毘沙門天の尊像が、ガンダーラにおいて創造された過程を、美術作品・仏教経典・ギリシア神話などを総合して解明。従来の定説を超越し、その源流が古代ギリシアのヘルメース神・ローマのメルクリウス神像にあったことを論証。わが国の古代文化がギリシア・ローマ文化にも遡ることを実証した東西文化交流史。〈主な目次〉なぜ毘沙門天なのか(毘沙門天の複雑さ/毘沙門天像と兜跋毘沙門天像/ホータンの重要性と限界)/古代インド・ガンダーラの四天王像と毘沙門天像(四方位と仏教/四天王捧鉢/毘沙門天の出現)/ファッロー神・ヘルメース神・メルクリウス神像(クシャン族のファッロー神の図像/ゾロアスター教との関係/ギリシア・ローマ図像の特色/象徴的意味)/毘沙門天像の発見―出家足兪城図浮彫り―(武人像の問題/魔王マーラ説の間違い/帝釈天説の間違い/仏典の毘沙門天・帝釈天・梵天/武装した道案内人/毘沙門天像の確認)/光と闇の造形―出家足兪城図浮彫り―(夜の女神像/騎馬のシッダールタ太子の正面観/毘沙門天の弓矢の意味)/多聞天という別称について(別称多聞天説への疑問/言語学からみた多聞天/ガンダーラは中央アジアの一角)/あ

内容説明

七福神の一人として著名な毘沙門天像は、シルクロードの東西文化交流によって生まれたことを初めて解明。従来の定説を超越し、わが国の古代文化の源流の一つがギリシア・ローマ文化までさかのぼることを実証する。

目次

なぜ毘沙門天なのか
古代インド・ガンダーラの四天王像と毘沙門天像
ファッロー神・ヘルメース神・メルクリウス神像
毘沙門天像の発見―出家踰城図浮彫り
光と闇の造形―出家踰城図浮彫り
多聞天という別称について

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tama

8
県中央図書館からお取寄せ 面白い!毘沙門天の姿かたちはギリシャのヘルメス、イラン系クシャン族のファッロー神、インドの王侯及びクヴェーラ夜叉らの姿がガンダーラで結び付いてできた。だから現世利益の神様でもある。被り物には羽が付いてるし、槍はヘルメスの杖だし。引用文献に辻佐保子さんの名前が!多聞天は直訳すると「有名な神」。富を与えるから有名なので、仏の言葉を多く聞いたのではない。原語の表記で√記号の中にアルファベットが入っているのを初めて見た!どう発音するんだろう。吉川弘文館しばらく付き合いが続きそう。2016/09/15

わ!

2
毘沙門天に関しては詳しい。紛れもなく詳しいのだが…話の舞台が、いきなりインドへ行き、インドから帰ってこないような本なのである。つまりインドのどんな神が毘沙門天となったのか、それは仏教とどのように関連するのか…という命題を「四天王棒鉢(ぼうはち)図浮彫り」というガンダーラ遺跡に良く見られる造形を中心に掘り下げてゆく。とにかくバラモン教の話とかに終始してしまう。しかしそれはそれで、まったく知らない知識ばかりなので面白いと言えば面白い。2015/01/27

in medio tutissimus ibis.

2
毘沙門天=ヴァイシュラヴァナは、仏陀が宗教的な四方世界の守護者であることを示すための一群の守護神のうち北方の一柱であるヤクシャのクーベラを原型に、まさにインドの北方であるガンダーラにおいて、その地固有の守護神として行き交いのあったローマの旅の先導者であるメリクリウス、ゾロアスター教の豊饒神のファロー神が習合して誕生した。その名は「遍く知られた(多聞天)」または「普く光(富や名声)を放つ」を意味し、釈迦出家の際の先導者たる彼の持物である弓矢は火と光線を象徴する象徴的な照明具であり、兜の鳥翼は迅速の象徴である2021/01/21

ラガードー

1
七福神の一柱として有名な「毘沙門天」の起源だけに焦点を当てた著書。中国やインドに遡ってゆき、遂には古代ギリシアにまで辿り着いた際は、ある種の達成感があった。

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