出版社内容情報
●編集者から
この作品は、連載時から大きな反響を呼び、すでに98年度「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」作品賞を受賞しています。一連の大企業スキャンダル、深刻なデフレの中で、表と裏の隔絶した不可思議な存在としての企業がクローズアップされてきました。高村薫『レディ・ジョーカー』、高杉良『金融腐食列島』といった近年の秀作は、手法に違いはあれ、いずれも企業という 存在に焦点を当てたフィクションです。著者は連載終了後も精力的に取材を重ね、『巨怪伝』並みのボリュームに増補しました。戦後生まれた流通業の雄ダイエーとその創業者に焦点を当てたこの作品は、日本で初めての本格的な企業ノンフィクションといえます。ぜひ,お手にとってご一読ください。
●読み方のポイント
大部の著作であり、多層的な作品構造になっているため、いくつかの読み方が可能です。編集者が考える読み方をいくつか紹介します。
読み方1 …… 評伝として
読み方2 …… 戦後流通盛衰史として
読み方3 …… 戦後ニッポン、及び日本人論として
読み方4 …… 神戸物語として
読み方5 …… 団塊物語として
読み方6 …… フィリピン戦記として
●著者略歴
佐野 眞一(さの・しんいち)
1947年東京生まれ。69年早稲田大学文学部卒業。出版社勤務を経てノンフィクション作家に。 セックスを視点に不思議の国ニッポンを描いた『性の王国』、バブル時代の怪物たちを追った『昭和虚人伝』、新聞の3行広告から世紀末をあぶりだした『紙の中の黙示録』、「山びこ学校」の無着成恭と教え子たち43人のその後の人生をたどった『遠い「山びこ」』、今日の読売グループを築き上げた正力松太郎の評伝『巨怪伝』、民俗学者・宮本常一の人と業績、宮本を物心両面で支えた渋沢敬三の精神をたどった『旅する巨人』、瀬戸内に浮かぶ高齢化率日本一の沖家室島から日本人の死生観を問い直した『大往生の島』(いずれも文藝春秋刊)、迫真のゴミ問題ルポ『日本のゴミ』(講談社、ちくま文庫)など。『旅する巨人』で第28回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。97年から「新潮45」に東電OL殺人事件を断続的に執筆している。
内容説明
驕れる者は久しからず。三島由紀夫が割腹自殺した1970年11月25日、中内ダイエーは格安テレビ「ブブ」を売り出し、消費者が殺到する。それから28年…。大宅賞作家が描く衝撃の企業ノンフィクション!!
目次
苦悶と狂気
飢餓と闇市
拡大と亀裂
挑戦と猜疑
膨張と解体
感想・レビュー
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中川肇
mrasd212
ひらぐち
c3po2006
葉