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スタインウェイ戦争―誰が日本のピアノ音楽界をだめにしたのか

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  • サイズ 新書判/ページ数 221p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784896918427
  • NDC分類 763.2
  • Cコード C0273

内容説明

本当のピアノの音を響かせたい!それが職人たる調律師の意地であり、腕の見せどころだ!そうして始まったのが「持ち込みコンサート」だった。ところが、突然、横槍が入る。ファイトが湧いた。「芸術」を隠れ蓑にするピアノ音楽界の汚れた体質、暴利をむさぼる楽器輸入総代理店の横暴、その代理店にすり寄るピアニスト、コンサート関係者、調律師、音楽評論家、そして、音楽出版社の馴れ合い、もたれ合い。それこそが日本のピアノ音楽界をだめにした元凶である。ひとり敢然として戦いを挑んだ、ピアノに魅せられた男の物語。

目次

プロローグ 「越後屋、頭が高い、殿の御前であるぞ、控えおろう」といいたいけれど…
第1章 ニューヨーク・スタインウェイとの出会い
第2章 秩父ミューズパークNYスタインウェイ納入事件
第3章 ホールへの「持ち込み」スタート
第4章 「ショパン事件」
第5章 「ロンドン事件」。スタインウェイは日本企業に買収?
第6章 「SABUちゃん」から「よぶちゃん」へ
第7章 「勝利と亡霊」公取委、松葉楽器に排除勧告命令出す
第8章 ホロヴィッツが恋に落ちたピアノ
第9章 甦れ、巨匠たちの音よ

著者等紹介

高木裕[タカギユウ]
1952年生まれ。ピアノ・プロデューサー。93年より自社のコンサートグランドピアノ持ち込みを開始し、理想のアーティスト・サービスを実現、業界の常識を覆す。ニューヨークでのアーティスト・サービス、及び希少なヴィンテージ・スタインウェイの安定した入手ルートを確保するため、03年ニューヨークに現地法人「タカギクラヴィアUSA」設立。タカギクラヴィア株式会社代表取締役社長

大山真人[オオヤママヒト]
1944年山形市生まれ。早稲田大学文学部国史専修卒。学習研究社女性雑誌・音楽雑誌編集を経てノンフィクション作家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

morinokazedayori

42
★★★★音楽は人々の心を豊かにしてくれるが、その音楽を単なるビジネスの一手段としか考えない魑魅魍魎たちが、クラシック音楽界に影を落とす。そんな中、ピアノ調律師高木は、アーティストやピアノの持つ音楽性を常に一番に考え、様々な抗争に巻き込まれながらも確固たる地位と信頼を築き上げていく。 一人の調律師の目を通して描いた、20世紀末の日本のピアノ界のドキュメンタリー。読み応えがあった。2017/02/04

巨峰

15
タカギクラビアと松尾楽器商会とのスタインウェイを巡る諍かいごとをタカギ側の一方的な視線で描いた。欠席裁判のような本であるから話半分以下で読むべきかも。自らの商圏を守ろうとする松尾側の対応は商売人としては普通でしょう。2012/08/05

sun

9
会場据え付けを使う、という特殊な楽器ピアノ。その輸入と調律を商売として見た、えげつない実話。どの業界にもありそうな話。2016/02/29

meow3

7
独占状態にある会社の横暴っぷりがこれでもかと書かれている。これって音楽業界だけの話じゃないんだろうな。一流の物を扱っているだけで、自分達を一流と勘違いする人達という言葉にものすごく共感。高木さんは様々な妨害や嫌がらせを実際されたんだろうけど、こうやって書いて本にしてしまうとどうしても同レベルの争いと感じられてしまう、事前に全然無関係な人に感想を聞けばよかったのに。悪口を言い返してはいけない、というよい見本でした。2017/06/22

yzw

3
『調律師、至高の音をつくる』を感心して読んだが、この本を先に読んでいたらきっと手にしなかっただろう。良い仕事をすればやがて世間から認められるから、妨害されたことをグダグダ言わんでもよろしい。2012/11/02

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