出版社内容情報
中年を過ぎたラム(一七七五―一八三四)は、エリアという仮面をまとい、虚実ないまぜの複雑多彩な文章でエッセイを綴った。姉や兄、友人知己についての思い出を慈しむラム。ここにはささやかでも充実した比類なき人生の姿がある。イギリス随筆の古典的名品『エリア随筆』から十八篇を厳選し、詳しい訳註を付す。(訳註・解説=藤巻明)
内容説明
中年を過ぎたラム(1775‐1834)は、エリアという仮面をまとい、虚実まじえた複雑な綾を織りなすエッセイを綴った。「夢の子供達」「恩給取り」「古陶器」など18篇を厳選した本書からは、姉や兄、友人知己への微妙な思い等、ささやかながらも比類なきラムの人生の姿が浮かび上がってくる。詳しい訳註付き。
目次
南洋商会
休暇中のオックスフォード
人間の二種族
除夜
バトル夫人のホイストに関する意見
魔女その他夜の恐怖
私の近親
ハーフォードシャーのマッカリー・エンド
初めての芝居見
夢の子供達―一つの幻想
煙突掃除人の讃
首都に於ける乞食の衰亡を嘆ず
焼豚の説
H―シャーのブレイクスムア
恩給取り
蘇レル友
婚礼
古陶器
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
58
チャールズ・ラム氏がエリアと言う偽名を使い、綴ったエッセイ。しかし、ラム自身の体験に時を経てから書き直し、話を膨らませている部分が取り混ぜているので非常に分かりにくい。しかも聖書や神話、文化などの比喩回しが散逸し、内容の真偽を掴みにくくしているのだ。その知識については巻末の注釈がついていていなかったら珍紛漢紛のままだったでしょう。「私の近親」から知るラム氏の家族に起こった事の大変さをさらっと書いている事には驚愕した。「煙突掃除人の讃」は「メアリー・ポピンズ」の煙突掃除夫を連想してしまう。2023/02/08