講談社学術文庫<br> 鶴屋南北―かぶきが生んだ無教養の表現主義

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講談社学術文庫
鶴屋南北―かぶきが生んだ無教養の表現主義

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  • サイズ 文庫判/ページ数 221p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062923781
  • NDC分類 912.5
  • Cコード C0170

出版社内容情報

伊右衛門、お岩、桜姫…… あらゆる常識・権威・価値の転換をもくろみ、かぶきを新たな地平に導いた奇才・鶴屋南北の全貌!19世紀、遊里とかぶきの全盛を過ぎ、文化の衰退と爛熟が肌で感じられた江戸化政期。それは地震・噴火・洪水と、鎖国の綻びの時代でもあった。「四谷怪談」「桜姫東文章」などで知られる四代目鶴屋南北は、奇抜な趣向で当時の「現代」を写しとり、かぶきに新たな地平をひらく。彼は世に何を仕掛けたのか。伝統の革新とは何か。稀代のかぶき研究者畢生の渾身作。

発端・「おお南北」か「だい南北」か
南北の肖像
南北の街
劇界に身を投ずる
立作者となる
南北無学説
奇想「鯨のだんまり」
出世作「天竺徳兵衛」
寛政かぶきのリアリズム
小幕作者時代と道化方
南北襲名
生世話の誕生
小説の視覚化
見世物と南北
「桜姫東文章」とその時代
薬と毒薬
「四谷怪談」とその前後
南北独り旅「五十三駅」
死もまた茶番
あとがき


郡司 正勝[グンジ マサカツ]
著・文・その他

内容説明

遊里とかぶきの全盛を経て、文化の衰退と爛熟が肌で感じられた江戸化政期。それは地震・噴火・洪水と、鎖国の綻びの時代でもあった。「四谷怪談」「桜姫東文章」などで知られる四代目鶴屋南北は、奇抜な趣向で当時の「現代」を写しとり、かぶきに新たな地平をひらく。彼は世に何を仕掛けたか。革新とはいかなることか。稀代のかぶき研究者畢生の渾身作。

目次

発端・「おお南北」か「だい南北」か
南北の肖像
南北の街
劇界に身を投ずる
立作者となる
南北無学説
奇想「鯨のだんまり」
出世作「天竺徳兵衛」
寛政かぶきのリアリズム
小幕作者時代と道化方
南北襲名
生世話の誕生
小説の視覚化
見世物と南北
「桜姫東文章」とその時代
薬と毒薬
「四谷怪談」とその前後
南北独り旅「五十三駅」
死もまた茶番

著者等紹介

郡司正勝[グンジマサカツ]
1913年北海道生まれ。早稲田大学名誉教授。歌舞伎研究に新しい地平を開き、様式美の究明に成果をのこした。五世坂東玉三郎の当たり役「桜姫東文章」など、南北作品の復活上演や、監修、演出への功績においても知られる。1998年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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HANA

57
四世鶴屋南北の評伝。単なる評伝に留まらず、南北という人物を通しながら、歌舞伎や当時の世相までを描いている。鶴屋南北というと代表作の『桜姫東文章』や『東海道四谷怪談』、そして遅咲きに世に出てこれらの傑作を物にしたとしか知らなかったが、詳しい背景、そして著者の目を通したその人物像等は興味深い事この上ない。しかし本書や南北の諸作を見ると、「爛熟」という言葉がまた違った意味で捉えられるな。否定的な意味の多いこの言葉も、裏返したら芳醇という意味も含んでいるし。ある時代が孕んでいる香気みたいなものも含め面白く読めた。2020/12/14

アメヲトコ

4
桜姫東文章や四谷怪談で知られる歌舞伎作家鶴屋南北の評伝。彼の人生を通して化政期という時代の空気も描かれますが、いかんせんこちらに歌舞伎についての教養が乏しいのでなかなかついていくのが辛い。それでも死に臨んだ南北の自らの最期の演出は印象的。2018/10/15

犬養三千代

1
桜姫東文章。 玉三郎と仁左衛門、今や国宝コンビでもう一度見てみたい。2016/11/08

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