講談社学術文庫<br> 中世の罪と罰

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講談社学術文庫
中世の罪と罰

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  • サイズ 文庫判/ページ数 296p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065178690
  • NDC分類 322.14
  • Cコード C0121

出版社内容情報

 「やーい、お前の母ちゃん、でべそ!」 誰もが耳にしたことがありながら、よく考えると意味不明なこの悪口。そこに秘められた意味とは? ありふれた言葉を入り口に、今は遠く忘れ去られた日本の姿が、豊かに立ち上がる。
 「お前の母ちゃん…」のような悪口が御成敗式目にも載るれっきとした罪であり、盗みは死罪、犯罪人を出した家は焼却処分、さらに死体の損壊に対しては「死骸敵対」なる罪に問われれた中世社会。何が罪とされ、どのような罰に処せられたのか。なぜ、年貢を納めなければ罰されるのか。それは何の罪なのか。10篇のまごうかたなき珠玉の論考が、近くて遠い中世日本の謎めいた魅力を次々に描き出す。
 稀代の歴史家たちが、ただ一度、一堂に会して究極の問いに挑んだ伝説的名著、待望の文庫化!
(原本:東京大学出版会、1983年)

解説(桜井英治・東京大学教授)より
本書を通じてあらためて浮き彫りになるのは、中世社会が、現代人の常識や価値観では容易に解釈できない社会だということ、つまりそれは私たちにとって彼岸=異文化にほかならないということである。……日本中世史研究がまばゆい光彩を放っていたころの、その最高の部分をこの機会にぜひご堪能いただきたい。

【主な内容】
1 「お前の母さん……」 笠松宏至
2 家を焼く 勝俣鎭夫
3 「ミヽヲキリ、ハナヲソグ」 勝俣鎭夫
4 死骸敵対 勝俣鎭夫
5 都市鎌倉 石井 進
6 盗 み 笠松宏至
7 夜討ち 笠松宏至
8 博 奕 網野善彦
9 未進と身代 網野善彦
10 身曳きと“いましめ” 石井 進
討論〈中世の罪と罰〉 網野善彦・石井進・笠松宏至・勝俣鎭夫
あとがき 笠松宏至
あとがきのあとがき 笠松宏至
文献一覧
解 説 桜井英治

内容説明

御成敗式目になぜか罪と明記された悪口。その罰は流罪だった。盗みは死をもって贖われ、罪人の家は焼却、年貢を未納すれば奴隷…荒々しく理不尽にも見える中世人の法意識とは?時の彼方に失われた日本の姿が、十篇の珠玉の論考から豊かに浮かび上がる。中世史研究の黄金時代を築いた四人の大家が一堂に会した、記念碑的著作!

目次

1 「お前の母さん…」
2 家を焼く
3 「ミヽヲキリ、ハナヲソグ」
4 死骸敵対
5 都市鎌倉
6 盗み
7 夜討ち
8 博奕
9 未進と身代
10 身曳きと“いましめ”
討論 “中世の罪と罰”

著者等紹介

網野善彦[アミノヨシヒコ]
1928‐2004年。東京大学文学部国史学科卒業。名古屋大学助教授、神奈川大学短期大学部教授、神奈川大学特任教授を歴任。専門は日本中世史

石井進[イシイススム]
1931‐2001年。東京大学文学部国史学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京大学名誉教授。専門は日本中世史

笠松宏至[カサマツヒロシ]
1931年生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。東京大学名誉教授。専門は日本中世史

勝俣鎭夫[カツマタシズオ]
1934年生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。東京大学名誉教授。専門は日本中世史。静岡文化芸術大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

21
原本は83年。佐藤進一門下の網野善彦、石井進、笠松宏至、勝俣鎭夫の「四人組」(オリジナルは言わずもがなの文化大革命。詳細は解説参照)による。専門的な単語が多数、史料からの引用もほぼ投げっぱなしなのでハードルは高いが、桜井英治先生による解説には「本書の内容はけっして易しくはないが、当時は読者の能力もきわめて高かった。かつてそのような宝物のような時代があったのだ」とある。19年の文庫化に当たってもう少しアップデートしてほしかった感もあるが、理解を深めるためには読者が努力、研鑽せざるを得まい。2021/05/21

さとうしん

16
日本中世史の専門家が耳切り鼻削ぎ、夜討ちといったキーワードやテーマから中世人の法意識を探っていくという趣向だが、「お前の母さん出べそ」と中国の「他妈的」、日本の死骸敵対と西欧の棺桶裁判、あるいは日本の中でも古代と中世とのつながりなど、比較の視点が面白い。逆に中国史など日本の外の側からも「罪と罰」に関してもう少し掘り下げができるのではないかという気になってくる。2019/12/21

MUNEKAZ

15
もとは1983年刊で、中世史の大家「四人組」が揃い踏みという豪華な論集。悪口、家を焼く、盗みといった物騒な事件を題材に、中世の「罪と罰」を紹介している。石井進氏の指摘するように、罪と罰というよりは「穢れと祓え」というべき、古代以来の観念が色濃く残る中世の実像が描かれている。最近の中世史ブームで出た新書本に比べると格段に読みにくいしやさしくないのだが、その気付きの多さ、着眼点の面白さはさすがの一言であり、桜井先生による解説も含めて、在りし日の東大中世史の凄まじさに感じ入るばかりである。2019/12/19

qwer0987

7
罪と罰の視点から中世を読み解いており、その内容は刺激的だ。解説にも触れられているけど、中世と現代日本とはずいぶん大きく考え方が違う。一番大きく違うのは穢れや異形に対する見方だろう。罪人の家を焼くことと穢れに対する認識の関係性や、髪を切るなどの罰には相手を異形にするという意味がこもっているなどの話は面白い。盗みに対して死罪を含めた罰を与えるのは物に魂が宿っていてそれが穢されたからという考えも感心する。その時代にはその時代の価値観があり、その価値観のもとに物事は動く。そんな当たり前の事実に感嘆とした。2022/10/10

白隠禅師ファン

6
中世史の大家四人による共著。タイトルにある「罪と罰」から中世社会史を浮かび上がらせるという内容。桜井英治先生の解説も素晴らしい。2024/01/19

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