出版社内容情報
生物の形や行動はすべて物理法則に支配され、決められていることを明らかにする画期的な科学本。人間と地球外生命まで解き明かす。
内容説明
そこには美しい単純性がある。生物と無生物の間を分ける物理法則。進化の謎に迫る驚異の発見!「生命の本質を突く物理法則」、進化と物理学を統合する新たな試み。地球外生命という宇宙的な規模まで広がる壮大な生物論。
目次
生命を支配する沈黙の司令官
群れを組織化する
テントウムシの物理学
大小さまざまな生き物の体
生命の袋
生命の限界
生命の暗号
サンドイッチと硫黄
水―生命の液体
生命の原子
普遍生物学はあるか
生命の法則―進化と物理法則の統合
著者等紹介
コケル,チャールズ[コケル,チャールズ] [Cockell,Charles]
英国のエディンバラ大学で宇宙生物学の教授を務め、英国宇宙生物学センター(UK Center for Astrobiology)の所長でもある。ブリストル大学で生化学と分子生物学の学位、オックスフォード大学で分子生物物理学の博士号を取得。これまでにNASAのエイムズ研究センターや英国南極調査所、オープン大学でも研究生活を送る
藤原多伽夫[フジワラタカオ]
1971年、三重県生まれ。静岡大学理学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
73
(前略)「生物の形や行動はすべて物理法則に支配され、決められていることを明らかにする画期的な科学本。DNAや細胞などのミクロから動物の生態、人間と地球外生命までを科学で解き明かす」という趣旨の書は、生命進化に偶然性(や中には神秘性)の類いを思い入れしたい向きには、題名からして拒否感を抱かせるかもしれない。2022/07/08
宇宙猫
23
挫折。文学的な修辞や、だらだら続くたとえ話に耐えられない。銀河や恒星の話は好きだけど、ここには鬱陶しい。ブルーバックスだと物足りないけど、読み物仕立て合わないと辛い。2020/10/04
evifrei
15
生命の進化を物理法則に従ってなされてきたものであると捉え、生物学と物理学の分野横断的な検討を試みる良著。訳文も読みやすい。特に印象に残ったのは第3章の『テントウムシと物理学』だ。体温や翅の強さなど、テントウムシを数式で記述すると膨大な量の数式を用いて表すことになるようだ。彼らを数式で記述するというアイディア自体にかなり驚いたのだが、テントウムシに限らずアリの世界やモグラについても数式で示す事が出来るらしい。こうしたことは全て無限にみえる生命が一定のパターンに基づいている事から可能になるのだろうか。2020/06/22
GASHOW
13
進化には物理法則があるから、3次元の大きさは一定の範囲におさまる。デカ過ぎる生物は、重力に面積あたりの強度がもたない。水中で生きる場合には、たまに巨大なクジラとかイカが存在する。昆虫は、酸素濃度の高い過去には巨大だったから、酸素濃度次第。昆虫のサイズは、物理法則も大きく違うので面白い。2020/03/24
mft
9
進化論が強調する偶然性に対して、数々の物理的制約を考えると生物もある程度予測可能な存在だという主張。有袋類でも有胎盤類でも地中生活するモグラっぽい生き物がそっくりにできあがるのは生活環境の物理的制約による、というところから始まり、DNA が4種類の塩基を使う妥当性まで、偶然の選択の結果にも見える生物の特徴が物理的に最適なものになっているという例がたくさん示される。つまり地球外生命体も案外同じような作りになるかもという話になるので、議論としては面白いが世界としてはつまらないような2020/02/22