出版社内容情報
話題となった企業不祥事13事例を取り上げ、「原因メカニズム」を詳細に分析し、経営実践上の教訓を導いている。
内容説明
危機管理のスペシャリストが重大事件・事故を分析・検証、不祥事を引き起こした因果関係のメカニズムを解説する。アクリフーズの農薬混入事件、ベネッセの顧客情報漏えい事件、オリンパスの不正会計事件など13件を収録。
目次
第1章 生かせなかった教訓(アクリフーズの農薬混入事件―「日本ならば大丈夫」という希望的観測に陥って問題点を放置;NHK職員によるインサイダー取引事件―過去の不祥事の再発防止にこだわり、別種の不祥事への備えが欠落;東海テレビの「ぴーかんテレビ」放送事故―経費削減のためアウトソーシングを進めたことで現場の負担が拡大;中国電力島根原子力発電所の点検時期超過事件―負担が重くても黙々と努力する「現場解決型の組織文化」が仇に)
第2章 従業員が不正を犯すとき(メルシャン水産飼料事業部の循環取引事件―非常に特殊な事業内容であったために不審点の追及がおろそかに;ベネッセの顧客情報漏えい事件―顧客情報を積極活用する経営方針がセキュリティの不備を招く;東海ゴム工業の労働安全衛生法違反事件―顧客への供給責任を果たすために犠牲にされたコンプライアンス)
第3章 ガバナンスの機能不全(新銀行東京の巨額損失事件―実現不可能なビジネスモデルに固執して経営方針の転換が遅延;大王製紙会長による特別背任事件―創業家出身の経営者の暴走に対して内部統制や会計監査は沈黙;オリンパスの不正会計事件―「インセンティブのねじれ」にむしばまれて不正を見逃した外部専門家)
第4章 重大事故が起きる現場(中日本高速道路の笹子トンネル事故―落下物対策を優先した関係で長期にわたり打音点検を未実施;上尾保育所における児童死亡事故―リーダーシップの不在によりモンスターペアレントが増長;東京ドーム遊戯施設「舞姫」の死亡事故―現場をアルバイトまかせにして、安全確認が変質したことに気付かず)
著者等紹介
樋口晴彦[ヒグチハルヒコ]
1961年、広島県生まれ。東京大学経済学部卒業後、上級職として警察庁に勤務。愛知県警察本部警備部長、四国管区警察局首席監察官のほか、外務省情報調査局、内閣官房内閣安全保障室に出向。ペルー大使公邸人質事件、ナホトカ号重油流出事件、オウム真理教事件、東海大水害など様々な危機管理に従事。現在、警察大学校教授として、危機管理・リスク管理分野を担当し、企業不祥事とマネジメントについて研究。米国ダートマス大学MBA、博士(政策研究)。危機管理システム研究学会常任理事、失敗学会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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