日本の無国籍児と子どもの福祉

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  • サイズ A5判/ページ数 301p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784750328232
  • NDC分類 329.91
  • Cコード C0036

出版社内容情報

法制度上存在しない存在とされる無国籍児。日本の排外的な家族ナショナリズムに起因する同問題を、子どもの福祉の観点から多角的に論究し、国籍取得を保障する新たな枠組みを模索する。無国籍防止のモデルとなるデンマーク国籍法(本邦初翻訳)を巻末に収録。


 はじめに

第一章 「与えられる国籍」と日本の無国籍児問題
 一 はじめに
 二 ナショナル・アイデンティティーによる「与えられる国籍」
 (一)父系血統主義による家族ナショナリズム
 (二)「与えられる国籍」を具現する戸籍制度
 (三)存在が確認されていない無国籍児
 (四)無国籍による社会的不利益
 (五)無国籍児を生み出す国籍法上・行政上の要因
 (六)無国籍児の国籍取得の方法の意味づけ
 三 小結

第二章 国籍取得に関する立法の変遷――明治から第二次世界大戦後に焦点をあてて
 一 はじめに
 二 国籍に関する立法の制定以前
 (一)父系優先血統主義による国籍取得と家制度
 (二)内外人の婚姻における許可制と伝統的家制度の温存
 三 国籍立法と近代化の動向
 (一)近代的な民法〔明治二三年〕の公布
 (二)明治民法と家族ナショナリズム
 (三)家族制度重視の明治国籍法
 四 第二次世界大戦後における国籍法の成立
 五 小結

第三章 無国籍児問題の歴史的経緯――「与えられる国籍」の継続と結婚の国際化との乖離
 一 はじめに
 二 第二次世界大戦後の沖縄における無国籍児問題
 (一)基地への依存と無国籍児問題の背景
 (二)国際福祉相談所活動からみる無国籍児の実態
 (三)父系血統主義による無国籍児の発生――事例調査
 (四)国籍法改正への取り組み
 (五)子孫に引き継がれた無国籍児問題
 (六)帰化によってナショナル・アイデンティティーを求める無国籍児
 三 グローバル化の進行と増える無国籍児
 (一)定住化する外国人と無国籍児の関係
 (二)外国人労働者の排除と依存――延長線上の問題
 (三)国際社会から外圧を受けた外国人政策
 (四)国籍法改正後も続く無国籍児発生の問題
 四 小結

第四章 国籍とアイデンティティーの理論的枠組み
 一 はじめに
 二 個人・集団・国家とアイデンティティー
 (一)内面性におけるアイデンティティーから社会的アイデンティティーへ
 (二)個人のアイデンティティーからみるナショナル・アイデンティティー
 三 複合的アイデンティティーとインディビジュアル・アイデンティティー
 (一)複合的アイデンティティーと無国籍児
 (二)インディビジュアル・アイデンティティーと無国籍児
 四 子どもの福祉――アイデンティティーと無国籍児防止の視点からのアプローチ
 五 小結

第五章 「与えられる国籍」から「権利として取り戻す国籍」へ――子どもの福祉の萌芽
 一 はじめに
 二 家族ナショナリズムの払拭から子どもの福祉への一歩
 (一)グローバル化における「権利として取り戻す国籍」へ
 (二)無国籍から「権利として取り戻す国籍」への挑戦
 三 児童福祉行政と児童福祉法
 (一)児童福祉行政の限界と問題点
 (二)児童福祉法成立時にみる子どもの福祉の萌芽
 四 小結

第六章 世界における無国籍児の存在――無国籍児の発生防止の意義
 一 はじめに
 二 世界における無国籍児問題の認識
 (一)「存在しない子どもたち」――無国籍児の存在
 (二)無国籍児の発生要因
 三 国籍取得に関する世界の動向
 (一)個人にとって国籍とは何か
 (二)グローバリゼーションと国籍・市民権概念の変化
 (三)国籍を与える二つの方法――生地主義と血統主義
 (四)国籍と国際法のかかわり
 (五)無国籍防止に関する国際的な取り組みの展開
 四 小結

第七章 子どもの国籍取得に関する国際的な権利条約の変容――子どもの福祉の実現をめざして
 一 はじめに
 二 子どもの国籍にかかわる国際的な権利の変容
 (一)前史
 (二)世界人権宣言と権利としての国籍取得
 (三)市民的権利としての子どもの国籍という考え方
 (四)子ども観の転換の重要性――保護を受ける客体から権利をもつ主体へ
 (五)「子どもの権利条約」と無国籍防止の可能性
 三 日本における国際人権条約の役割
 (一)子どもの権利条約等の国際人権条約の日本国内への反映
 (二)子どもの権利条約締約国日本に対する国連専門委員会の評価
 四 小結

 補論 「子どもの福祉」への意識・制度変革と実践的課題――わが国における子どもの福祉の実現:諸外国の例を参考に

 小結

 あとがき
 〔巻末資料〕デンマーク国籍法
 索引

はじめに

(…前略…)

 本書の構成は、以下のとおりである。
 まず、第一章、第二章、第三章で日本の無国籍児問題の実態と歴史的概観をとらえる。
 第一章「『与えられる国籍』と日本の無国籍児問題」では、無国籍児を生み出している「与えられる国籍」の思想と仕組みを提示する。
 第二章「国籍取得に関する立法の変遷――明治から第二次世界大戦後に焦点をあてて」では、日本における国籍取得の考え方の変遷の概略を追い、無国籍児問題の変化をとらえることを試みた。
 第三章「無国籍児問題の歴史的経緯――『与えられる国籍』の継続と結婚の国際化との乖離」で、無国籍児問題の歴史的経緯を「与えられる国籍」がどのように継続されてきたのかを、結婚の国際化との乖離の視点から把握する。
 以上の日本の実態を理論的に解明するために、第四章「国籍とアイデンティティーの理論的枠組み」で、アイデンティティーを媒介に、個人と集団と国家の関係を掌握し、権利としての国籍取得を可能にする子どもの福祉の実現に向けた理論的枠組みを提示する。
 そして、第四章で確認した子どもの福祉を実現するための理論的な可能性を、日本の実態のなかで検証する。そのために、第五章「『与えられる国籍』から『権利として取り戻す国籍』へ――子どもの福祉の萌芽」で、無国籍を有国籍化する訴訟などの取り組みによる、「権利として取り戻す国籍」への転換としての子どもの福祉の萌芽を明らかにする。
 ついで、わが国の無国籍児問題の展望を開く示唆を得るために、諸外国の有国籍化の潮流として第六章と第七章で無国籍児発生防止と子どもの福祉の実現に向けた国際的な到達点を探る。
 まず、第六章「世界における無国籍児の存在――無国籍児の発生防止の意義」で、世界で無国籍児が生まれる理由と発生予防に対する国際的な取り組みについて考察し、第七章「子どもの国籍取得に関する国際的な権利条約の変容――子どもの福祉の実現をめざして」で、市民としての国籍取得に関わる子どもの権利の条約や、子ども観の転換による子どもの福祉の国際的な取り組みの変容を明らかにする。
 そして補論において、「『子どもの福祉』への意識・制度変革と実践的課題――わが国における子どもの福祉の実現:諸外国の例を参考に」として、日本における無国籍児の発生防止と子どもの福祉の実現の可能性を示唆する。
 引用文のうち漢字は書名等を除き原則として新字を使用し、旧仮名遣いはそのままにした。

目次

第1章 「与えられる国籍」と日本の無国籍児問題
第2章 国籍取得に関する立法の変遷―明治から第二次世界大戦後に焦点をあてて
第3章 無国籍児問題の歴史的経緯―「与えられる国籍」の継続と結婚の国際化との乖離
第4章 国籍とアイデンティティーの理論的枠組み
第5章 「与えられる国籍」から「権利として取り戻す国籍」へ―子どもの福祉の萌芽
第6章 世界における無国籍児の存在―無国籍児の発生防止の意義
第7章 子どもの国籍取得に関する国際的な権利条約の変容―子どもの福祉の実現をめざして
補論 「子どもの福祉」への意識・制度変革と実践的課題―わが国における子どもの福祉の実現:諸外国の例を参考に

著者等紹介

月田みづえ[ツキダミズエ]
現職:昭和女子大学人間社会学部福祉環境学科、同大学院福祉研究専攻教授、博士(社会学)。1949年生まれ日本女子大学文学部社会福祉学科卒業、同大学院文学研究科社会福祉専攻博士前期課程修了、関東学院大学大学院文学研究科社会福祉専攻博士後期課程修了(博士号取得)、社会福祉法人愛成学園児童指導員、財団法人いしずえ(サリドマイド福祉センター)福祉相談員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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すい

0
無国籍が生まれてしまう日本の法制度の穴を指摘する。国籍法・戸籍法の成り立ちもふまえており、わかりやすい。2011/02/27

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