内容説明
激動の前四世紀にギリシア統一を訴えた、弁論術の巨星の全容が今、蘇る。本邦初訳。
目次
1 デモニコスに与う
2 ニコクレスに与う
3 ニコクレス
4 民族祭典演説
5 ピリッポスに与う
6 アルキダモス
7 アレイオス・パゴス会演説
8 平和演説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
4
ペロポネソス戦争(BC431-BC404)によるアテナイの混乱期、著者は演説作者(λογογράφος)となる。地中海外の知識を盛り込み、韻を踏む詩的形式を駆使して儀式や祭典の際に歴史を神話と結び付けて聴衆を酔わせるその年代記的な修辞文体の習得は、確かに著者の弁論術にも表れている(「民族祭典演説」)。一方、この術が訴える愚かな民衆の知を「ドクサ」と呼び、愚衆を離れて厳密な知(επιστήμη)を追求する同時代人プラトンに対し、著者はプラトンの知が偶然を排する点を批判して実践的理性による弁論教育を推進する。2019/08/02
有沢翔治@文芸同人誌配布中
3
古代ギリシアの弁論家イソクラテス。プラトンと並んで、西洋人の教養の根底をなしている。また、学校を開き、多くの弟子を輩出した。そのイソクラテスはどのような弁論・演説を行なっていたのだろうか。『民族祭典演説』などの他、九通の書簡も併録。そのうち一通は若きアレクサンダー大王へ宛てている。http://blog.livedoor.jp/shoji_arisawa/archives/51519680.html2021/07/17
暁
0
一度は読むべき