内容説明
「生命」とは何か―。科学者をはじめとする多くの人々を長い間悩ませてきたこの問いを解明する新しい生命科学が、システム進化生物学(Systems Evolutionary Biology)である。個々の遺伝子や分子における変異と選択で進化を捉える従来の進化理論の立場を超えて、進化を生命分子ネットワークの複雑化の過程として捉えるシステム進化理論。海外でも同時的に提唱され、研究が進められているこの新しい理論のすべてを、初めて学ぶ人にもわかりやすく解説し、われわれの現実生活に結びつく医療への応用とその展望を示す。
目次
1章 生命をシステムで解く
2章 ゲノムの中に見えるシステム生命
3章 生命はダイナミックなネットワークだ
4章 単細胞生物が脳をもつ?
5章 形作りに働く情報のネットワーク
6章 生命=情報―生命は宇宙の塵から生まれた
7章 生命システム理論からシステム医学へ
著者等紹介
田中博[タナカヒロシ]
1974年東京大学工学部計数工学科卒、1981年東京大学大学院医学系研究科修了。医学博士、工学博士。1982年東京大学医学部講師、1990年マサチューセッツ工科大学客員研究員、1991年東京医科歯科大学教授、1995年同大情報医科学センター長、2006年から同大大学院生命情報科学教育部長・評議員。日本医療情報学会理事長、情報計算化学生物学会大会長など歴任。人工生命の国際学会をはじめ多くの学会・シンポジウムを主催。生命のシステム論について早くから興味をもち、生命複雑系、システム進化生物学、オミックス医科学などを専門とする。疾患および医療への情報的アプローチにも詳しい(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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