内容説明
本書は環境教育で世界をリードしている著者によって、子どもの能力が発達途上にあること、そしてその能力は子ども特有のものであることを認めたうえで子どもの参画が真剣に行なわれるならば、子どもは持続可能な開発に価値ある普遍的な役割を演ずることができると確信して書かれたものである。教育者、都市計画家やまちづくり関係者、環境に携わる人に向けて書かれたものであり、子どもの参画の理論と実際、そして持続可能なコミュニティと民主主義の発展の重要性について紹介。子どもたちが問題を特定したり、その原因を深く考えたり、コミュニティを反映する問題を批判的に検討したりする本当の参画を強く訴えている。
目次
第1部 序論および概論(子どもの参画する能力の発達;組織の原則;子どもの参画の新しい形態およびいろいろな団体との提携)
第2部 子どもの参画の実際(子どもたちと行なうアクション・リサーチ;子どもたちによる環境の計画、デザインと建設;環境の管理 ほか)
第3部 方法(描画とコラージュ;地図づくりと模型づくり;インタビューと調査 ほか)
著者等紹介
ハート,ロジャー[Hart,Roger A.]
1947年、英国サセックス州に生まれる。ニューヨーク州立大学教授(発達心理学、環境心理学)。同大学人間環境センター・環境心理学大学院生教育プログラム担当。子どもの環境研究グループ主任。とくに子どもに関する発達理論の環境デザインへの適用と子どもの環境教育を専門としている。また環境教育の必要性を持続可能なコミュニティづくりから「子どもの参画」の重要性を提唱し、この研究分野の世界的な第一人者として注目されている。現在ユニセフの協力を得ながら世界各地を調査しアドバイザーとしても精力的に活動し、四度の来日を通して日本の子どもたちのまちづくりやコミュニティの関わり方に強い関心を寄せている。なお、著書に日本で出版されている『空間認知の発達』『環境の空間的イメージ』(ダウンズ・ステア編、吉武泰水訳、鹿島出版会)のほか、下記のものなど多数。Children’s Geographies and the Geography of Children.in T.Saarinen,J.Szell and D.Seamon(Eds.),Behavioral Geography:Inventory and Prospect.University of Chicago monographs in Geography,Spring,1983.Managing Cities As if Children Mattered,With Bartlett,S.,de la Barra,X.,Missair,A.,and Satterthwaite,D.Keynote preface to Children,Cities,and Psychological Theories:Developing Relationships.Golitz,D.,Harloff,H.J.,Mey,G.,and Valsiner,J.(Eds.).Berlin/New York:de Grayter,1998.Children’s Rights and Habitat.New York:UNICEF(The UNICEF preparatory document for Habitat II:The UN Conference on Human Settlements).1996.
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感想・レビュー
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