1987年5月15日〜10月9日 週刊朝日に連載
ケルト人/ギリシア・ローマ文明の重さ/ケルトの妖精と幻視/”鯨の村”ホテル/明治の悲しみ/紳士と浮浪者/いまは昔/駅舎・空巣/リヴァプール到着/ビートルズの故郷/死んだ鍋/ヘンリー八世/ライアンの娘と大聖堂/郷に入っては/ベケット/オコンネル通り/スウィフトの寺/文学の街/ジョイスの砲台へ/神話と金銭/ウィスキーのEを飲む/ジョン・ライリー氏
アイルランドとイングランドの確執 野蛮と非野蛮
カトリックとアングリカンチャーチ(英国国教会)とプロテスタントの対立
被支配民アイリッシュと支配者イングリッシュの関係が今も続いているのかもしれない
だからこそアイルランド過激派IRAが更に自主独立を求めるために活動する
文字を持たないアイリッシュは被支配されても文化的に持ち出されるものはほとんどなかった
whiskeyだけであったと言ってもよい
おなじケルト系のスコットランドは大人しくイングランドと付き合っているのに、アイリッシュは孤独にしかも勇敢に戦う
アイリッシュという響きには野暮ったいという印象があるが、beatlesのジョン、リンゴ、ポールはアイリッシュ系リバプール市民である
さらにMcというマクドナルドやマッカーサーの接頭語 〜の息子はケルト語である
名前を挙げるとパトリックもアイリッシュ系である
アメリカには数千万のアイリッシュ移民がいるという
詩や文学には有名な人が多いという 死んだ鍋デッドパンといわれるアイリッシュ独特のウィットあるいはユーモアあるいは本気な言い回しがある。当人の顔は笑ってはいない。
相手は一瞬冗談かと思うが良く考えたらそれは例えば揶揄であり、痛烈な皮肉にきづき、言われた相手は何も言い返せなくなり一瞬棒立ちになる
リンゴスターがアメリカ公演でインタビューされた
「ベートーヴェンをどう思う」かと馬鹿な質問をした
「いいね」とおおきくうなづき「戸にかっく彼の詩がね」
ガリバー旅行記で有名なジョナサン・スイフトはアイリッシュ系
またジェイムズ・ジョイスなる有名作家がいるらしい
一度触れてみたいと思った
アイリッシュは我々日本人にとってはウィスキーとギネスビールしかないが、
被支配の極貧歴史、プロテスタントからの破壊の歴史、そして自国では食っていけないという歴史、孤高だが勇敢であるとう民族の歴史などなど いまや世界に大きく影響を耐えている民族であるといえる
司馬は海外旅行でも観光案内書はかかない
歴史であり、文学であり、特に宗教論についてはバスク地方を訪れた時も多くを割いていた
観光案内と思って読む人は、他の書を選ぶべきである
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街道をゆく 30 (朝日文庫 し 1-31) 文庫 – 1993/6/1
司馬 遼太郎
(著)
愛蘭土紀行 1
- ISBN-104022640014
- ISBN-13978-4022640017
- 出版社朝日新聞出版
- 発売日1993/6/1
- 言語日本語
- 本の長さ271ページ
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登録情報
- 出版社 : 朝日新聞出版 (1993/6/1)
- 発売日 : 1993/6/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 271ページ
- ISBN-10 : 4022640014
- ISBN-13 : 978-4022640017
- Amazon 売れ筋ランキング: - 640,704位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,392位日本文学(日記・書簡)
- - 1,724位朝日文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
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1923年大阪市生まれ。大阪外国語学校蒙古語部卒。「ペルシャの幻術師」で講談倶楽部賞、『梟の城』で直木賞を受賞。『竜馬がゆく』『国盗り物語』『坂 の上の雲』『空海の風景』『翔ぶが如く』など構想の雄大さ、自在で明晰な視座による作品を多数発表。この他『街道をゆく』『風塵抄』『この国のかたち』な どの紀行、エッセイも多数。’96年逝去(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 司馬遼太郎と寺社を歩く (ISBN-13: 978-4334747213)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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町田の丘
Amazonで購入
アイルランドという国の成り立ち、気候、風土、民族の心情を、これほど多面的に、しかも奥深く物語る著作は他に見当たらない。アイルランドについてはこれ一冊を読むだけで十分、という気さえする。
こんな名作にレビューを書くのもおこがましく、愚かな話なのだが、少しだけコメントさせていただく。
英国のインド植民地支配は周知の歴史だが、長年にわたるアイルランド虐待がこんなにひどいものだとは知らなかった。無知を恥じる。宗教対立が人間をかくも非情にし狂気に走らせる。両国の歴史は支配と被支配、光と影の関係にあるため、本書は適切にも都市ロンドン(英国)を最初に論ずる。次いでアイルランド移住者の町ー生活貧窮のため米国その他に移民するためか、旅費が工面できずそこに留まるしかないーりヴァプールを訪れたのち、空路ダブリンに到着する。
ダブリンからはマイクロバスをチャーター、島を横断、西岸の港町ゴールウエイを目指す。途中2/3(ダブリンより西約120キロ)ほどのところにアスローンという町があり、ダブリンから始まった沃野はこの辺で終わる。露出した岩盤と不毛の泥炭地。この荒野が西岸まで続く。クロムウエル率いるプロテスタント軍は虐殺を繰り返しつつアイルランド人を追い立てここに住まわせた。彼らはジャガイモで食いつなぎ、ケルトの神秘にしがみつき生きることによって、不屈のアイルランド魂を形成した。
司馬さんの密かな旅の目的地は、西の果てゴールウエイの沖に浮かぶアラン島にあった気がする。白い牙をむく大西洋の荒波、そそり立つ崖、岩盤と絶壁。アラン島には土となづくほどのものはない。硬い岩盤の上に海藻を敷き、岩の割れ目に風が運んだわずかの土やほこりを手ですくい、すくいして畑を作る。この島で一泊した深代惇郎は「農夫は、カチンカチンと音を出して畑を耕していた。こんな酷薄な土地を、私は今まで見たことがない」と書いている。
アラン島訪問は一つの山場であり、ここで有名なシングの戯曲「海へ騎りゆく人々」とドキュメンタリー映画の傑作「Man of Aran」が紹介される。
幸いこの映画は、YuTubeで観ることができる。岩を打ち、激浪に船を浮かべ自然と戦って生きていく島の人を見ると胸締め付けられる思いがする。司馬さんのアイルランド紀行は、アラン島篇が加わることで一本背骨が通った。
無論、本書には、ジョイスやイェーツの文学、映画人ジョン・フォードやモーリン・オハラ、英国の敗北を願って米国の参戦にブレーキをかけ続けたケネディ駐英大使(J.F.ケネディの父親)など多くのアイルランド人が紹介される。そこは該博無類な司馬氏のこと、語りの巧みさに読者は魅了されるだろう。
こんな名作にレビューを書くのもおこがましく、愚かな話なのだが、少しだけコメントさせていただく。
英国のインド植民地支配は周知の歴史だが、長年にわたるアイルランド虐待がこんなにひどいものだとは知らなかった。無知を恥じる。宗教対立が人間をかくも非情にし狂気に走らせる。両国の歴史は支配と被支配、光と影の関係にあるため、本書は適切にも都市ロンドン(英国)を最初に論ずる。次いでアイルランド移住者の町ー生活貧窮のため米国その他に移民するためか、旅費が工面できずそこに留まるしかないーりヴァプールを訪れたのち、空路ダブリンに到着する。
ダブリンからはマイクロバスをチャーター、島を横断、西岸の港町ゴールウエイを目指す。途中2/3(ダブリンより西約120キロ)ほどのところにアスローンという町があり、ダブリンから始まった沃野はこの辺で終わる。露出した岩盤と不毛の泥炭地。この荒野が西岸まで続く。クロムウエル率いるプロテスタント軍は虐殺を繰り返しつつアイルランド人を追い立てここに住まわせた。彼らはジャガイモで食いつなぎ、ケルトの神秘にしがみつき生きることによって、不屈のアイルランド魂を形成した。
司馬さんの密かな旅の目的地は、西の果てゴールウエイの沖に浮かぶアラン島にあった気がする。白い牙をむく大西洋の荒波、そそり立つ崖、岩盤と絶壁。アラン島には土となづくほどのものはない。硬い岩盤の上に海藻を敷き、岩の割れ目に風が運んだわずかの土やほこりを手ですくい、すくいして畑を作る。この島で一泊した深代惇郎は「農夫は、カチンカチンと音を出して畑を耕していた。こんな酷薄な土地を、私は今まで見たことがない」と書いている。
アラン島訪問は一つの山場であり、ここで有名なシングの戯曲「海へ騎りゆく人々」とドキュメンタリー映画の傑作「Man of Aran」が紹介される。
幸いこの映画は、YuTubeで観ることができる。岩を打ち、激浪に船を浮かべ自然と戦って生きていく島の人を見ると胸締め付けられる思いがする。司馬さんのアイルランド紀行は、アラン島篇が加わることで一本背骨が通った。
無論、本書には、ジョイスやイェーツの文学、映画人ジョン・フォードやモーリン・オハラ、英国の敗北を願って米国の参戦にブレーキをかけ続けたケネディ駐英大使(J.F.ケネディの父親)など多くのアイルランド人が紹介される。そこは該博無類な司馬氏のこと、語りの巧みさに読者は魅了されるだろう。
とんぼ
Amazonで購入
PCで本が買えるのはとても便利ですし、安く変えてとても良かったです。
Gappei
Amazonで購入
これに優るアイルランドの本はない感じです。本屋には売っていなく、探しており、やっとアマゾンに気が付いて早々購入。期待を裏切らない内容であった。
wabysaby
西洋史に関する知識は、30年前に卒業した高校の世界史以上のものはありませんし、それも寄る年波で風化しています。そういう人間が「西洋史」と再び出会い、歴史を学ぶことのおもしろさに気づく「きっかけ本」として、とても優れた本だと思います。
街道をゆくの連載が始まったのも1970年ころ。学説も次々と塗り替えられています。30年以上前の研究に基づいて書かれた歴史エッセイの中に、現在の学説と異なる記述があるのは当たり前のこと。書かれていることを丸ごと信じる受動的な態度でなく、「ほんとにそうか?」とつっこみを入れながら読むべきです。
それはこの巻に限りません。私は「三浦半島」では武士の生い立ちに疑問を感じ、「韓のくに紀行」では語族の区分が不思議に思え、さらに詳しく調べたくなりました。この本でも、読み進むうちに、ケルトの歴史・文化、あるいはこの本には書かれていないIRAのことなどさらに詳しく調べてみたくなりました。
司馬遼太郎のエッセイは、知的好奇心をくすぐる効果が絶大です。より深くヨーロッパの歴史や地理を探る入り口として読むべきでしょう。
街道をゆくの連載が始まったのも1970年ころ。学説も次々と塗り替えられています。30年以上前の研究に基づいて書かれた歴史エッセイの中に、現在の学説と異なる記述があるのは当たり前のこと。書かれていることを丸ごと信じる受動的な態度でなく、「ほんとにそうか?」とつっこみを入れながら読むべきです。
それはこの巻に限りません。私は「三浦半島」では武士の生い立ちに疑問を感じ、「韓のくに紀行」では語族の区分が不思議に思え、さらに詳しく調べたくなりました。この本でも、読み進むうちに、ケルトの歴史・文化、あるいはこの本には書かれていないIRAのことなどさらに詳しく調べてみたくなりました。
司馬遼太郎のエッセイは、知的好奇心をくすぐる効果が絶大です。より深くヨーロッパの歴史や地理を探る入り口として読むべきでしょう。
Silver
Amazonで購入
アイルランドに上陸するのにイギリス経由で、イギリス編が本書の前半分ぐらいを占める。
この作家の悪い癖だが、異常な文学オタクが、別に聞きたくもないマイナーな地元の作家の講釈を
延々と繰り広げる感じである。
アイルランドに上陸した後も文学講釈は続き、とどまる事を知らない。
これは紀行文なのか文学批評なのか?
文学に興味の無い自分には馬耳東風で、
非常に読みづらく、半分ぐらいは読み飛ばしてしまった。
後続の紀行2はまだマシになったが、
文学の代わりに映画監督や俳優のネタに走り、げんなり・・・
編集者は何してんだろうか。
ただ、アイルランドの貧困ぶりは凄まじくも面白かった。
この作家の悪い癖だが、異常な文学オタクが、別に聞きたくもないマイナーな地元の作家の講釈を
延々と繰り広げる感じである。
アイルランドに上陸した後も文学講釈は続き、とどまる事を知らない。
これは紀行文なのか文学批評なのか?
文学に興味の無い自分には馬耳東風で、
非常に読みづらく、半分ぐらいは読み飛ばしてしまった。
後続の紀行2はまだマシになったが、
文学の代わりに映画監督や俳優のネタに走り、げんなり・・・
編集者は何してんだろうか。
ただ、アイルランドの貧困ぶりは凄まじくも面白かった。
きんちゃん。
朝日文庫/司馬遼太郎=著『街道をゆく 30』のレビュー。
副題は「愛蘭土紀行Ⅰ」。
『街道をゆく28』のレビューでも述べたが、愛蘭土=アイルランドは、司馬遼太郎が若いころから行きたかった地のひとつだ。
2014年9月、イギリスからのスコットランドの独立を問う住民投票があった。
結果は、反対が賛成をわずかに上回り、独立は否決された。
このときのニュースでも分かったように、イギリス(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)は、「イングランド」「スコットランド」「ウェールズ」「北アイルランド」という独自性の強い4つの地域から構成されている。
ちなみに、本レビュー投稿時現在、イギリスでラグビーのワールドカップが行われている。
たいていは、1か国から1チームの出場なのに、イギリスからは「イングランド」「スコットランド」「ウェールズ」の3チームが出場している。
「アイルランド」代表は、北アイルランドとアイルランド共和国との共同チームである。
さて、ここでイギリスの地図を見ると、北アイルランドは、文字通りアイルランド島の北方地域を指している。島の残りを占める部分が、愛蘭土=アイルランド共和国である。
同じ小さな島の中に二つの国があり、一方の北の国(地域)は本国と揉めている。
この地図を眺めるだけでも、このあたりがただならぬ風土なり民族意識なりが交錯している地域であることが想像できる。
アイルランドにはケルト人が住んでいたが、8世紀にノルマン人が侵入しイングランドに支配される。
その後、戦争、宗教改革、内戦などを経て20世紀にアイルランド共和国として独立した。
本巻は、国家とか民族とか、言葉・自然・地域性・宗教とか、そういう大きな視点で歴史を見ることに新鮮な驚きを提供してくれる。
日本にもそういう面があることは、これまでの旅でも紹介されてきたのだが、ヨーロッパという、面積においても気候のおいても民族の複雑さにおいても広範囲な視点が必要とされる旅では、よりスケールが大きい新鮮さを感じてしまうのだ。
なお、愛蘭土紀行は「Ⅰ」「Ⅱ」に分かれているが、司馬一行がアイルランドに入るのは、本巻の後半になってからである。
副題は「愛蘭土紀行Ⅰ」。
『街道をゆく28』のレビューでも述べたが、愛蘭土=アイルランドは、司馬遼太郎が若いころから行きたかった地のひとつだ。
2014年9月、イギリスからのスコットランドの独立を問う住民投票があった。
結果は、反対が賛成をわずかに上回り、独立は否決された。
このときのニュースでも分かったように、イギリス(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)は、「イングランド」「スコットランド」「ウェールズ」「北アイルランド」という独自性の強い4つの地域から構成されている。
ちなみに、本レビュー投稿時現在、イギリスでラグビーのワールドカップが行われている。
たいていは、1か国から1チームの出場なのに、イギリスからは「イングランド」「スコットランド」「ウェールズ」の3チームが出場している。
「アイルランド」代表は、北アイルランドとアイルランド共和国との共同チームである。
さて、ここでイギリスの地図を見ると、北アイルランドは、文字通りアイルランド島の北方地域を指している。島の残りを占める部分が、愛蘭土=アイルランド共和国である。
同じ小さな島の中に二つの国があり、一方の北の国(地域)は本国と揉めている。
この地図を眺めるだけでも、このあたりがただならぬ風土なり民族意識なりが交錯している地域であることが想像できる。
アイルランドにはケルト人が住んでいたが、8世紀にノルマン人が侵入しイングランドに支配される。
その後、戦争、宗教改革、内戦などを経て20世紀にアイルランド共和国として独立した。
本巻は、国家とか民族とか、言葉・自然・地域性・宗教とか、そういう大きな視点で歴史を見ることに新鮮な驚きを提供してくれる。
日本にもそういう面があることは、これまでの旅でも紹介されてきたのだが、ヨーロッパという、面積においても気候のおいても民族の複雑さにおいても広範囲な視点が必要とされる旅では、よりスケールが大きい新鮮さを感じてしまうのだ。
なお、愛蘭土紀行は「Ⅰ」「Ⅱ」に分かれているが、司馬一行がアイルランドに入るのは、本巻の後半になってからである。
いじさまっくす
アイルランドについての紀行エッセイ。特にどうということはない一冊だけれど、少なくともアイルランドに行ってみたい気にさせてくれる。抑圧、搾取されたアイルランドという国の歴史は、よく分かる。二分冊であるがためかもしれないが、この巻にはイギリスに関する記述があまりにも多いという感じがした。