トクホ誕生から２５年、
国の審査に合格した「特定保健用食品」は
１０００品目を軽く超えている。
しかしトクホの効果はすべて、現実には
「健康の維持増進に
寄与することが期待できるかどうかも疑わしい」代物。
たとえば「食後の血糖値の上昇を数ミリグラム抑制できるトクホ」
があったとして
「それを食べ続けたら、将来的に糖尿病の予防につながるか否か」は
全く不明、と著者は説く。
「強い骨を作る」などの機能性の表示もナンセンス。
なぜなら「強い骨」はある食品を
食べたからつくられるものじゃない。
適切な食生活、ほどよい運動、
一定量の日光を浴びる…どれも欠かせないからだ。
食品を「体にいい・悪い」と二分して
ヘルシーとされる食品を片っぱしから食べても、
食生活全体のバランスがとれていなければ意味がない。
著者は長年にわたり、
「フードファディズム」…
特定の食べものの健康効果を
「毒」だとか逆に「病気を防ぐ」などと、
針小棒大に喧伝すること…の罪を警告してきた。
本書は、肝油ドロップから青汁、クロレラ、
健康茶、ヨーグルト、豆乳、玄米クッキー、
コラーゲン食品、野菜ジュース、
いま話題のアマニ油などの各種オイルまで
商品名を挙げて、いかに「不都合な真実」が多いかを
論文を読み解き、メーカーに問いただして浮かび上がらせている。
ふつうの豆乳もトクホ豆乳も中身は同じだったり、
「体脂肪を減らすお茶」で逆に体重が増えやすかったり、
トクホの油の「血糖値が上がりにくい人の血糖値を
わざわざ高くする」欠点が隠されていたり…唖然。
本書にはほかにも、野菜ジュース信仰や、
マクロビオティックなどの菜食主義の落とし穴など
日本人が陥りやすい
食習慣のあやまりも幅広く取り上げられている。
あやしいトクホを１０００品目以上も
世にひろめる
食品メーカーと国のホンネは
「国民の健康より富の拡大」。
食品情報の
ウソ・ホントを見究める眼力を持とう。
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