梅棹忠夫のロングセラー『知的生産の技術』を踏襲している本書は、アナログのフィールドワークの手法をウェブ時代のデジタルに活かすため、インプットとアウトプットの両方を網羅的にわかりやすく解説した本である。
著者のベースにある思想はいうまでもなく梅棹忠夫の『知的生産の技術』であるが、著者に大いなるインスピレーションを与えたのは、大学時代に垣間見ることのできた鶴見良行の「知的生産の工房」である。鶴見良行とは、東南アジア、とくに「海のアジア」を庶民目線によってフィールドワークによって調べ上げて、『バナナと日本人』や『ナマコの眼』などの名著を、つぎからつぎへと世に出してきた研究者のことだ。
梅棹忠夫や鶴見良行といった先人たちの「フィールドワークから知的生産物を量産する技術」をウェブ時代に発展させたのが本書の特色である。いわばアナログ技術をデジタル化する技術といってもいいだろうか。
本書は大きくわけて、インプット編とアウトプット編の二部構成になっているが、いうまでもなく読者にとっての読みどころは後者のアウトプットにある。具体的にいえば、レポートや企画書の書き方だ。本書じたいの企画案が掲載されているのは面白い(P.169)。本という形での「知的生産」を考えている人にも、役に立つだろう
本書は、ビジネス書として分類するのは狭すぎるというべきだろう。なによりも、よくあるビジネス書とは異なり、発想の源はビジネス以外の世界にもひろく求めており、実例も豊富に紹介されている。仕事のうえで、なんらかの知的生産をしなければならない人にとっての知的読み物にもなっている。
ただし、「アイデアを形にする」といっても、ここで語られているのは主に、企画についてである。いわゆる狭い意味での「知的生産」についてである。製品やデザインなどの「形にする技術」のことではない。目に見えるプロトタイプ(試作品)をつくる必要のある「ものづくり」そのものについては別の本を参考にしたほうがいい。ここでは、もっぱら目に見えないソフトについて語っている。
ひろくアイデアの作り方と伝え方にかんして書かれた本として、とくに30歳台前半までの若い人にすすめたいと思う。
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アイデアを形にして伝える技術 (講談社現代新書) 新書 – 2011/4/15
原尻 淳一
(著)
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「アイデアがコンスタントに溢れ出る仕組み」は誰でも持てる! 「効率的なインプット」から「相手に伝わるアウトプット」へ、その刺激を受けて「さらに豊かなインプット」へ…。そんな「循環システム」をつくろう!
ビジネス書のイメージを変えたベストセラー『IEDA HACKS !』はじめ『HACKS !』シリーズ共著者にして凄腕マーケティング・プランナーの著者・原尻淳一が、インプット&アウトプットの各技術、それらをつなげるシステム構築について、具体的ノウハウを全公開。
現場調査(1次情報)&本やウェブの情報(2次情報)収集術から、クラウド時代の情報整理術、企画書や章の超具体的な書き方、自分の価値を高めるプレゼン上達法まで…。
山田真哉氏、小山龍介氏推薦! 「個人の能力と価値」がいっそう求められる時代の「新しい仕事の教科書」!
【目次】
第1部 インプットの技術
第1章 「現場の情報」力
直接ターゲット(当事者)に話を聴く習慣/インタビューのコツ/メモとノートの取り方…
第2章 情報を集める技術・読む技術
本を読むのは3段階で/ウェブ上に書棚をつくる/日本語検索+英語検索+画像検索…
第3章 データベース構築とアイデア発想
クラウドサービスを活用する/5つの揺さぶり/アウトプットへの準備がアイデア力を高める…
第2部 アウトプットの技術
第4章 型の効用
企画書の基本構造/マンダラートを活用してツリー構造をつくる/3つの編集技術…
第5章 わかりやすく自分らしい文章術
書くための「基本3原則」/自分らしい表現のための「ルールづくり」…
第6章 企画書を書く
「名作ファイル」をつくる/ビジュアルを使えば効果は倍になる/自分らしさを演出する企画書をどうつくるか…
第7章 伝わるプレゼンテーション
事前準備でおさえる3要素/スライドは「トップラインで紙芝居をつくる」/わたしのロールモデルの探し方…
ビジネス書のイメージを変えたベストセラー『IEDA HACKS !』はじめ『HACKS !』シリーズ共著者にして凄腕マーケティング・プランナーの著者・原尻淳一が、インプット&アウトプットの各技術、それらをつなげるシステム構築について、具体的ノウハウを全公開。
現場調査(1次情報)&本やウェブの情報(2次情報)収集術から、クラウド時代の情報整理術、企画書や章の超具体的な書き方、自分の価値を高めるプレゼン上達法まで…。
山田真哉氏、小山龍介氏推薦! 「個人の能力と価値」がいっそう求められる時代の「新しい仕事の教科書」!
【目次】
第1部 インプットの技術
第1章 「現場の情報」力
直接ターゲット(当事者)に話を聴く習慣/インタビューのコツ/メモとノートの取り方…
第2章 情報を集める技術・読む技術
本を読むのは3段階で/ウェブ上に書棚をつくる/日本語検索+英語検索+画像検索…
第3章 データベース構築とアイデア発想
クラウドサービスを活用する/5つの揺さぶり/アウトプットへの準備がアイデア力を高める…
第2部 アウトプットの技術
第4章 型の効用
企画書の基本構造/マンダラートを活用してツリー構造をつくる/3つの編集技術…
第5章 わかりやすく自分らしい文章術
書くための「基本3原則」/自分らしい表現のための「ルールづくり」…
第6章 企画書を書く
「名作ファイル」をつくる/ビジュアルを使えば効果は倍になる/自分らしさを演出する企画書をどうつくるか…
第7章 伝わるプレゼンテーション
事前準備でおさえる3要素/スライドは「トップラインで紙芝居をつくる」/わたしのロールモデルの探し方…
- 本の長さ208ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2011/4/15
- 寸法10.5 x 1 x 17.5 cm
- ISBN-104062881039
- ISBN-13978-4062881036
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商品の説明
著者について
原尻 淳一
(はらじり・じゅんいち)
マーケティング・プランナー。1972年生まれ。大手広告代理店でブランドマーケティングのプランニングを7年間行う。大手レコード会社でアーティストや映画のマーケティング・宣伝プランニングを担当。現在、株式会社ブルームコンセプト取締役。主な著書に『IDEA HACKS!』(小山龍介氏との共著)、『READING HACKS!』『PLANNING HACKS!』(以上、東洋経済新報社)など。
ブログ:http://d.hatena.ne.jp/Juichi_Harajiri/
(はらじり・じゅんいち)
マーケティング・プランナー。1972年生まれ。大手広告代理店でブランドマーケティングのプランニングを7年間行う。大手レコード会社でアーティストや映画のマーケティング・宣伝プランニングを担当。現在、株式会社ブルームコンセプト取締役。主な著書に『IDEA HACKS!』(小山龍介氏との共著)、『READING HACKS!』『PLANNING HACKS!』(以上、東洋経済新報社)など。
ブログ:http://d.hatena.ne.jp/Juichi_Harajiri/
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2011/4/15)
- 発売日 : 2011/4/15
- 言語 : 日本語
- 新書 : 208ページ
- ISBN-10 : 4062881039
- ISBN-13 : 978-4062881036
- 寸法 : 10.5 x 1 x 17.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 857,072位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,475位講談社現代新書
- カスタマーレビュー:
著者について
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マーケティング・ジェネレーター。Harajiri Marketing Design代表取締役。
一般社団法人みつかる+わかる共同代表。龍谷大学 客員教授。
『IDEA HACKS!』等、東洋経済ハックシリーズ、『マーケティング・フレームワーク』(日本経済新聞出版社社)の著者。
龍谷大学社会科学研究所共同研究員。龍谷大学経済学部アドバイザリーボードメンバー。
日経ビジネススクール講師。リクルートマネジメントスクール講師。環境省家庭エコ診断推進基盤整備事業検討委員 他。
クリエイティブやプロモーションにつなげる触媒としての役割を自覚し、
アーティストやタレント等、人のブランディングを得意とする、マーケティングマン。
現在、そのノウハウを一般人に応用し、個人の価値を高めるワークショップや学校を主催している。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年7月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2011年4月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
小山さんからのメルマガで知って、さっそく購読してみました
私にとっては
野中郁次郎の『知識創造の方法論』の翻訳版として読めた
まずは、事前の情報や知識によって、都合の良いものを見ないように、
素のままで現場に行って、自分が感じたことをメモする
この参与観察を繰り返して仮説をつくり出し、仮説を検証するために
先行事例にあたる
仮説を修正し、現場に行ってさらに確認することを繰り返す
確信が持ててきたら
仮説を実現するための要素を書き出して
編集してアウトプットしてゆく
現場にいって、自分でつくりだした仮説だからこそ
実現することにコミットできる
方法論としてだけではなく、仕事人のあり方として
参考になることが多い
これから、仕事を覚える学生さんや若手社員は読んで実践すると
仕事力が格段に高まる良書だと思いました
私にとっては
野中郁次郎の『知識創造の方法論』の翻訳版として読めた
まずは、事前の情報や知識によって、都合の良いものを見ないように、
素のままで現場に行って、自分が感じたことをメモする
この参与観察を繰り返して仮説をつくり出し、仮説を検証するために
先行事例にあたる
仮説を修正し、現場に行ってさらに確認することを繰り返す
確信が持ててきたら
仮説を実現するための要素を書き出して
編集してアウトプットしてゆく
現場にいって、自分でつくりだした仮説だからこそ
実現することにコミットできる
方法論としてだけではなく、仕事人のあり方として
参考になることが多い
これから、仕事を覚える学生さんや若手社員は読んで実践すると
仕事力が格段に高まる良書だと思いました
2017年11月20日に日本でレビュー済み
読了:2017年123冊(9月16冊)★3.1
『アイデアを形にして伝える技術 (講談社現代新書)』2011/4/15、原尻 淳一 (著)
著者はマーケティングプランナーである。彼の今まで培ったノウハウを本書は伝えてくれる。どのような情報を得て、どのような形にして伝えるか。色んなノウハウ(というと失礼かもしれない)のいいとこどりをして、著者流にたどり着いた方法が書かれている。
この手の本はたくさん出版されているが、読んで満足し、いざ実践しようと思っても中々出来ない人が多いのではないか?最近、ホリエモンの本を読んだが、本書と似たようなことがたくさん書いてあった。やはり、モノを伝えることが上手い人は便利なものを使いこなし、自分の有限な時間を合理的に、効率的に使うのが上手いのだろう。
『アイデアを形にして伝える技術 (講談社現代新書)』2011/4/15、原尻 淳一 (著)
著者はマーケティングプランナーである。彼の今まで培ったノウハウを本書は伝えてくれる。どのような情報を得て、どのような形にして伝えるか。色んなノウハウ(というと失礼かもしれない)のいいとこどりをして、著者流にたどり着いた方法が書かれている。
この手の本はたくさん出版されているが、読んで満足し、いざ実践しようと思っても中々出来ない人が多いのではないか?最近、ホリエモンの本を読んだが、本書と似たようなことがたくさん書いてあった。やはり、モノを伝えることが上手い人は便利なものを使いこなし、自分の有限な時間を合理的に、効率的に使うのが上手いのだろう。
2012年11月5日に日本でレビュー済み
クラウドが日常に浸透してきた昨今。
昔の「発想法」では、考えられないほどの
お便利ツールが世の中にはある。
本書は、二部構成。三章ずつ。
第一部は、インプットの仕方。
要するに、アイデアの創りかた。
ツールをうまく使いながら、
アイデアを表現する。
本書で、提示されるのは、新しい発想法ではない。
第二部は、プレゼン。
新しいツールを使って、スマートに頭の中にあるものを
形にして、表出するアイデアが詰まっています。
他書に載っているような事柄も当然あるが、良書だと思う。
これいいね!
昔の「発想法」では、考えられないほどの
お便利ツールが世の中にはある。
本書は、二部構成。三章ずつ。
第一部は、インプットの仕方。
要するに、アイデアの創りかた。
ツールをうまく使いながら、
アイデアを表現する。
本書で、提示されるのは、新しい発想法ではない。
第二部は、プレゼン。
新しいツールを使って、スマートに頭の中にあるものを
形にして、表出するアイデアが詰まっています。
他書に載っているような事柄も当然あるが、良書だと思う。
これいいね!
2011年7月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アイデアハックの単行本を読んでいたので今更感が強い。
年数が経っているので何か目新しい手法があるかなぁーと
思っていただけにSNS系、エバーノート系だけでは少し弱いかと。
新書なので大きく期待はしていなかったものの
アイデアハックを読んだ人には不要かと思います。
原尻さんの本を読んでいない人の入門編には良いと思いますが、
ある程度Hackをわかっていないと???が3つくらい付く感じに
なる可能性があるので注意。
年数が経っているので何か目新しい手法があるかなぁーと
思っていただけにSNS系、エバーノート系だけでは少し弱いかと。
新書なので大きく期待はしていなかったものの
アイデアハックを読んだ人には不要かと思います。
原尻さんの本を読んでいない人の入門編には良いと思いますが、
ある程度Hackをわかっていないと???が3つくらい付く感じに
なる可能性があるので注意。
2011年9月4日に日本でレビュー済み
企画勝負の自由業者なので、この手の本は時々買ってしまうのだけど、けっこうハズれることも多い。いろんな方法論を寄せ集めただけだったり、情報・素材のインプットから企画やプレゼン(アウトプット)までのプロセスのどこか一部に編重していたり、具体例ばかりで応用が効かせ辛かったり…ということが往々にしてあって、部分部分は「なるほどね」と思わせられても、一冊を通して期待通りには役立ってくれることはなかなか少ない。
その点、本書はネタの仕入れ・整理からアウトプットの方法論まで、一気通貫でまとめたコンパクトな本としては、全体を通して浅すぎず深すぎず、過不足なくまとめられた好著だと思う。もちろん各部分を掘り下げれば幾らでも濃い内容にはなるのだろうけど、新書であることを考えればそれは無いものねだり。逆にこれくらいの方が全体像が頭に残りやすく、ちょっと悩んだときに目次を眺めるだけで必要なポイントを思いだせるので便利だろう。
また、本書全体がそこに示された筆者の方法論の適用事例そのものになっていたり、基本的な方法論を語っていながらあくまで筆者自身の経験を通じて洗練されてきた内容がベースなので説得力もあり、素直に「使わせていただきます」という気にさせられる。その手のものに時々ありがちなヘンな「僕ってスゴいっしょ?」的な自慢感が微塵もないのもいい。
全体の構成は、前半がインプット(ネタ集めとデータベース化、出発点になるアイデア出し)、後半がアウトプット(アウトプットの基本型、文章術のキモなど)の話。個々の部分の話は決して「知らなかった!」という内容ではないけれど、それぞれを「アイデアを生んで伝える」というプロセスの中でどうつなぎ合わせて行けば効率的なのかを教えてくれる。今年(2011)刊行なので、もちろんスマートフォンやクラウド(Evernote, Dropbox等)の基本的な使い(分け)方についても触れられている。
「情報収集もできる、クラウドも一応使ってる、企画書やプレゼンも下手ではないし基本的な方法論も何となくは知っている、だけどそれらが有機的につながり切っていなくて、毎回イマイチ手応えがなかったり無駄が多い気がするんだよなあ…」という僕のような人は、手元においておいて損はない一冊だと思います。
その点、本書はネタの仕入れ・整理からアウトプットの方法論まで、一気通貫でまとめたコンパクトな本としては、全体を通して浅すぎず深すぎず、過不足なくまとめられた好著だと思う。もちろん各部分を掘り下げれば幾らでも濃い内容にはなるのだろうけど、新書であることを考えればそれは無いものねだり。逆にこれくらいの方が全体像が頭に残りやすく、ちょっと悩んだときに目次を眺めるだけで必要なポイントを思いだせるので便利だろう。
また、本書全体がそこに示された筆者の方法論の適用事例そのものになっていたり、基本的な方法論を語っていながらあくまで筆者自身の経験を通じて洗練されてきた内容がベースなので説得力もあり、素直に「使わせていただきます」という気にさせられる。その手のものに時々ありがちなヘンな「僕ってスゴいっしょ?」的な自慢感が微塵もないのもいい。
全体の構成は、前半がインプット(ネタ集めとデータベース化、出発点になるアイデア出し)、後半がアウトプット(アウトプットの基本型、文章術のキモなど)の話。個々の部分の話は決して「知らなかった!」という内容ではないけれど、それぞれを「アイデアを生んで伝える」というプロセスの中でどうつなぎ合わせて行けば効率的なのかを教えてくれる。今年(2011)刊行なので、もちろんスマートフォンやクラウド(Evernote, Dropbox等)の基本的な使い(分け)方についても触れられている。
「情報収集もできる、クラウドも一応使ってる、企画書やプレゼンも下手ではないし基本的な方法論も何となくは知っている、だけどそれらが有機的につながり切っていなくて、毎回イマイチ手応えがなかったり無駄が多い気がするんだよなあ…」という僕のような人は、手元においておいて損はない一冊だと思います。
2011年5月5日に日本でレビュー済み
原尻淳一氏といえば、一連の「HACKS!」シリーズで有名で、日本にライフハックを広めた一人だが、今までの著書のエッセンスを凝縮したような本が講談社現代新書から出た。
講談社現代新書は、今まであまりこういったライフハック系のビジネス書は出してこなかったけれど、もともとは、ライフハックの先駆けとも言える知的生産に関するものも出していたので、その正統的な後継書といった感じがする。
内容的には、「第1部 インプットの技術」と「第2部 アウトプットの技術」に分かれている。
第1部のインプットの技術では、まずはフィールドワークの重要性から入る所がいい。こういった本によくありがちな、読書やウェブからいかに情報を取得し、整理するのかってことを中心に書くことではなく、まず一次情報をいかに自らが取得するのかをかなり詳しく書いている。この辺は、そういったインプットを実践で行っている著者ならではの記述だと思う。
もちろん、『READING HACKS!』の著者は、読書についても効率的読む方法を紹介することは忘れていないし、ウェブの使い方もきちんと紹介している。
第2部のアウトプットはより実践的な内容だ。インプットからアウトプットにどうつなげるかということを、詳しく説明しているが、いいなと思ったのは「型」や「ルール」について触れているところ。その基本を踏まえてこその企画書なり、プレゼンなのだ。
あまり厚くはないこの新書だけど、マーケティング・プランナーとして活躍している著者が実践している方法が凝縮されていて、とても勉強になる本だった。
講談社現代新書は、今まであまりこういったライフハック系のビジネス書は出してこなかったけれど、もともとは、ライフハックの先駆けとも言える知的生産に関するものも出していたので、その正統的な後継書といった感じがする。
内容的には、「第1部 インプットの技術」と「第2部 アウトプットの技術」に分かれている。
第1部のインプットの技術では、まずはフィールドワークの重要性から入る所がいい。こういった本によくありがちな、読書やウェブからいかに情報を取得し、整理するのかってことを中心に書くことではなく、まず一次情報をいかに自らが取得するのかをかなり詳しく書いている。この辺は、そういったインプットを実践で行っている著者ならではの記述だと思う。
もちろん、『READING HACKS!』の著者は、読書についても効率的読む方法を紹介することは忘れていないし、ウェブの使い方もきちんと紹介している。
第2部のアウトプットはより実践的な内容だ。インプットからアウトプットにどうつなげるかということを、詳しく説明しているが、いいなと思ったのは「型」や「ルール」について触れているところ。その基本を踏まえてこその企画書なり、プレゼンなのだ。
あまり厚くはないこの新書だけど、マーケティング・プランナーとして活躍している著者が実践している方法が凝縮されていて、とても勉強になる本だった。