「国家」の補足となるべき二編がおさめられている。必読である。
内容はたいしたことはない。
アルキビアデスはほとんどソクラテスに「はい」か「いいえ」をいうだけで、
哲学書としては深くない。
しかし、アルキビアデスが実際にアテネの政治家として頂点に君臨したことのある人物であることを考えると、
哲学の中の理想と現実の政治家、まあ、古代ギリシャは民主制なのでことばはちがうが、
ありていにいってしまえば、実際のアテネの王になる人物とソクラテスの対話である。
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アルキビアデス クレイトポン (講談社学術文庫) 文庫 – 2017/3/11
ソクラテス哲学の根本を伝える重要な対話篇、初の文庫版で新訳が登場! 『アルキビアデス大』または『第一アルキビアデス』と称されてきた『アルキビアデス』は、一個人としての「この私」と捉えられる「自己」を認識すること、さらには「人間一般」を認識することを目指し、魂と徳の探究に乗り出す。短篇『クレイトポン』では、その魂と徳の探究への疑問が提示され、ソクラテス哲学の極限に向かって対話が進行していく。
ソクラテス哲学の根本を伝える重要な対話篇、初の文庫版での新訳。
本書には二つの対話篇を収めた。
『アルキビアデス』は、古来この表題でプラトン集成に収録されてきた二つの作品のうち、より規模が大きく、『アルキビアデス大』や『第一アルキビアデス』と称されてきたものである。この対話篇は「人間の本性について」という副題が添えられてきたことが示しているように、一個人としての「自己」を認識し、その魂のありようを理解すること、さらには「人間」一般というものを認識することを目的としている。あらゆる人にとって重要な、その認識を実現する唯一の方法こそ、言葉を用いて対話すること、つまり相互主体性の実践としての対話であることが、まさにこの対話篇で実践され、証明されている。その意味で、本対話篇はソクラテス哲学に触れようとする人にとって、最良の入門となるものである。
続く短篇『クレイトポン』には、古来「徳の勧め」という副題がつけられてきた。その名のとおり、ここではソクラテスによる「徳の勧め」(プロトレプティコス)が説かれるが、のみならず、この対話篇でクレイトポンはそれが「勧め」以上のものではなく、どうすれば実際に徳を身につけることができるのかを問い、その方法を教えることはできないのではないか、という疑問を提示する。その意味で、これは『アルキビアデス』で提示された道を限界まで問いつめた作品であり、二つの対話篇を併せ読むことでソクラテス哲学の神髄に触れることができる。
練達の研究者による明快な訳文でソクラテスとともに対話する喜びが、ここにある。
ソクラテス哲学の根本を伝える重要な対話篇、初の文庫版での新訳。
本書には二つの対話篇を収めた。
『アルキビアデス』は、古来この表題でプラトン集成に収録されてきた二つの作品のうち、より規模が大きく、『アルキビアデス大』や『第一アルキビアデス』と称されてきたものである。この対話篇は「人間の本性について」という副題が添えられてきたことが示しているように、一個人としての「自己」を認識し、その魂のありようを理解すること、さらには「人間」一般というものを認識することを目的としている。あらゆる人にとって重要な、その認識を実現する唯一の方法こそ、言葉を用いて対話すること、つまり相互主体性の実践としての対話であることが、まさにこの対話篇で実践され、証明されている。その意味で、本対話篇はソクラテス哲学に触れようとする人にとって、最良の入門となるものである。
続く短篇『クレイトポン』には、古来「徳の勧め」という副題がつけられてきた。その名のとおり、ここではソクラテスによる「徳の勧め」(プロトレプティコス)が説かれるが、のみならず、この対話篇でクレイトポンはそれが「勧め」以上のものではなく、どうすれば実際に徳を身につけることができるのかを問い、その方法を教えることはできないのではないか、という疑問を提示する。その意味で、これは『アルキビアデス』で提示された道を限界まで問いつめた作品であり、二つの対話篇を併せ読むことでソクラテス哲学の神髄に触れることができる。
練達の研究者による明快な訳文でソクラテスとともに対話する喜びが、ここにある。
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2017/3/11
- 寸法10.7 x 1 x 14.8 cm
- ISBN-104062924080
- ISBN-13978-4062924085
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商品の説明
著者について
プラトン
前427-347年。古代ギリシアの哲学者。代表作に『ソクラテスの弁明』、『クリトン』、『ラケス』、『饗宴』、『国家』など。
三嶋 輝夫
1949年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。専門は、倫理学・ギリシア哲学。主な著書に『規範と意味』、主な訳書にプラトン『ラケス』ほか。
前427-347年。古代ギリシアの哲学者。代表作に『ソクラテスの弁明』、『クリトン』、『ラケス』、『饗宴』、『国家』など。
三嶋 輝夫
1949年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。専門は、倫理学・ギリシア哲学。主な著書に『規範と意味』、主な訳書にプラトン『ラケス』ほか。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2017/3/11)
- 発売日 : 2017/3/11
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 224ページ
- ISBN-10 : 4062924080
- ISBN-13 : 978-4062924085
- 寸法 : 10.7 x 1 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 512,777位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 214位その他の西洋思想関連書籍
- - 275位古代・中世・ルネサンスの思想
- - 1,491位講談社学術文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
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2017年9月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2018年7月22日に日本でレビュー済み
すでにプラトン研究において日本一と言われた田中 美知太郎先生がプラトン全集で翻訳している。訳註や解説、索引なども付いている。
本を読まない活字離れ世代の「わかりやすく書いているやさしい本じゃない読めない」という要望に迎合しようとする翻訳が多い。質はどんどん低下していく。
本を読まない活字離れ世代の「わかりやすく書いているやさしい本じゃない読めない」という要望に迎合しようとする翻訳が多い。質はどんどん低下していく。
2022年9月5日に日本でレビュー済み
訳者は、この訳書に登場する二人も含めた三名をとりあげた『ソクラテスと若者たち: 彼らは堕落させられたか?』を公刊している(2022年)。とくにその著のアルキビアデスのところを本訳書とともに(もちろんプラトン全集・田中美知太郎訳もともに)ゆっくり読んでいきたいと思う。