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茜いろの坂 (新潮文庫 草 99-3C) 文庫 – 1984/1/1
船山 馨
(著)
第15回(1981年) 吉川英治文学賞受賞
- 本の長さ581ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1984/1/1
- ISBN-104101099030
- ISBN-13978-4101099033
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1984/1/1)
- 発売日 : 1984/1/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 581ページ
- ISBN-10 : 4101099030
- ISBN-13 : 978-4101099033
- Amazon 売れ筋ランキング: - 852,073位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年6月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
友人から「自分が最も影響を受けた小説」と紹介された。余命を宣告された著者が,同じく余命わずかと宣告された主人公の生き様を描く。序盤はややスローテンポだが,中盤からは読者を引き付け離さない。最後の場面では,まるで最高の映画のラストシーン(色のある映像)を見ているような気分にさせられた。まさにスクリーンに釘付けにされて動けない,という感覚だ。「いかに生きるか」考えさせられる作品です。
2020年12月23日に日本でレビュー済み
上巻は松本清張、山崎豊子の社会小説もかくやと思わせるほどの導入と人物配置が見事です。確かに社内の権力争いと人間模様との描写に、妙に甘いところがありはします。(会長である主人公と、軍隊で部下であった社長との会話等)しかし、家族関係のもつれ、副主人公ともいえる女性の登場と描写がそれを補っています。それと主人公の不治の病をからめ、物語を上手く展開させています。少なくとも上巻までは・・・・帯とあとがきによると、同じく不治の病にある著者の遺作ともなった作品ですが、社会派小説として誠に迫力があります。
しかし、下巻になると、まったくがっかりさせられました。完全にトルストイの「復活」のような神と聖女を称えることに終始しています。死を受け入れ人生を見つめるという様な観念の繰り返しで退屈の極地でした。上巻は★5個をつけたのですが、下巻は駄作としか言い様がありません。主人公と同じく不治の病に侵されていたとはいえ、自分の心情の吐露を神との永遠との対話の様に美化し、その象徴としてスイスのモンブランの描写を入れるのは、あまりにも甘過ぎます。加えて、上巻で憎み合っていた、色欲のかたまりの様な相手も、妙に理解ある、善人になって登場します。善人ばかりが次々に現れて、延々と悟りの境地が記述される、社会派小説が妙な宗教小説になってしまっているのです。
しかし、下巻になると、まったくがっかりさせられました。完全にトルストイの「復活」のような神と聖女を称えることに終始しています。死を受け入れ人生を見つめるという様な観念の繰り返しで退屈の極地でした。上巻は★5個をつけたのですが、下巻は駄作としか言い様がありません。主人公と同じく不治の病に侵されていたとはいえ、自分の心情の吐露を神との永遠との対話の様に美化し、その象徴としてスイスのモンブランの描写を入れるのは、あまりにも甘過ぎます。加えて、上巻で憎み合っていた、色欲のかたまりの様な相手も、妙に理解ある、善人になって登場します。善人ばかりが次々に現れて、延々と悟りの境地が記述される、社会派小説が妙な宗教小説になってしまっているのです。
2011年1月11日に日本でレビュー済み
死に瀕した人物を題材にした話は数あれど、人間が死に向かって衰えていくまでの
相当な苦痛や寂しさとの戦いを、こんなにもリアリティを持って描いているものはないと思いました。
それもそのはず、著者は病床で、最後の作品として書いたそうです(目もほとんど見えなくなっていたので、妻に清書してもらいながら執筆したとのこと)。
病死は美しく悲しいドラマではなく、いつとも知れない終わりに向かって
苦痛と共に過ごしてい人間の、静かな時の重なりであると思うのですが、
ただそれをセンチメンタルな調子でもなく、広い視野を持って静かに力強く
語っています。
主人公は戦時中からあらゆる手段を使って富と地位を築いていた企業家。
死を前にして、はじめて自分の人生の暗部に対峙します。
今まで他人など駒だとしか思っていなかった主人公が悩み立ち止まったとき、
家族の想いや、若くみずみずしい女性との出会い、
死などまだ身近に感じることのない健康で欲望に満ちた自分の会社の社員との
やりとりの中で、自分の生きてきた意味を探っていきます。
船山作品のすごいところは、老若男女、富める者貧しいもの、夫婦に家族、
あらゆる立場の人間の生々しい臭いを書き起こせることだと思います。
一人一人が天使にも悪魔にもなり、経験によって変わっていく様を、読者は
雲の上から眺めるように、またある時は登場人物になり変わって感じることが
できます。
それは、筆者がジャーナリスト出身で色々な事象の顛末を追い、書き起こしてきた
ことも一つの理由だと思います。
このような作品は、これからも書店に並ぶべきです。
山崎豊子が好きな人は特に、この人の作品も好きなのではないでしょうか。
ぜひ、どんな人にも読んで欲しい名作だと思います。
相当な苦痛や寂しさとの戦いを、こんなにもリアリティを持って描いているものはないと思いました。
それもそのはず、著者は病床で、最後の作品として書いたそうです(目もほとんど見えなくなっていたので、妻に清書してもらいながら執筆したとのこと)。
病死は美しく悲しいドラマではなく、いつとも知れない終わりに向かって
苦痛と共に過ごしてい人間の、静かな時の重なりであると思うのですが、
ただそれをセンチメンタルな調子でもなく、広い視野を持って静かに力強く
語っています。
主人公は戦時中からあらゆる手段を使って富と地位を築いていた企業家。
死を前にして、はじめて自分の人生の暗部に対峙します。
今まで他人など駒だとしか思っていなかった主人公が悩み立ち止まったとき、
家族の想いや、若くみずみずしい女性との出会い、
死などまだ身近に感じることのない健康で欲望に満ちた自分の会社の社員との
やりとりの中で、自分の生きてきた意味を探っていきます。
船山作品のすごいところは、老若男女、富める者貧しいもの、夫婦に家族、
あらゆる立場の人間の生々しい臭いを書き起こせることだと思います。
一人一人が天使にも悪魔にもなり、経験によって変わっていく様を、読者は
雲の上から眺めるように、またある時は登場人物になり変わって感じることが
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それは、筆者がジャーナリスト出身で色々な事象の顛末を追い、書き起こしてきた
ことも一つの理由だと思います。
このような作品は、これからも書店に並ぶべきです。
山崎豊子が好きな人は特に、この人の作品も好きなのではないでしょうか。
ぜひ、どんな人にも読んで欲しい名作だと思います。