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福祉国家の闘い: スウェーデンからの教訓 (中公新書 1575) 新書 – 2001/2/1
武田 龍夫
(著)
- 本の長さ186ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2001/2/1
- ISBN-104121015754
- ISBN-13978-4121015754
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2001/2/1)
- 発売日 : 2001/2/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 186ページ
- ISBN-10 : 4121015754
- ISBN-13 : 978-4121015754
- Amazon 売れ筋ランキング: - 666,487位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年7月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今となってはかなり古い本ですが、本質的な部分は変わらないものだと思います。移民の問題なども当時の視点で触れられていますが、今はより深刻になっている印象です。そういう意味では将来の示唆に富んだ内容でした。
2020年9月17日に日本でレビュー済み
スウェーデンという国の(あまりに残酷な)コロナ対策の背景及び(社会に対する)彼女の怒りや彼女の様な女性が出てきた潜在的理由と”推測される”多くの示唆、国情が本書では紹介されています。
結果的に彼女の怒りの矛先は環境問題に向かいましたが、彼女の怒りが発生した本質的原因は彼女の主張する言葉(環境問題)の上にはない、と私などは感じています。(彼女の発言を全てチェックしたわけでも彼女の生い立ち等詳細に追って確認したわけでもないので断言こそしかねますが。)
コロナ発生より20年近くも前に出版された本ですが、20年も前から国の状況はこんな酷かったんだと思えば、私がこう書く理由も納得してもらえるのではないかと思います。
おすすめです。
結果的に彼女の怒りの矛先は環境問題に向かいましたが、彼女の怒りが発生した本質的原因は彼女の主張する言葉(環境問題)の上にはない、と私などは感じています。(彼女の発言を全てチェックしたわけでも彼女の生い立ち等詳細に追って確認したわけでもないので断言こそしかねますが。)
コロナ発生より20年近くも前に出版された本ですが、20年も前から国の状況はこんな酷かったんだと思えば、私がこう書く理由も納得してもらえるのではないかと思います。
おすすめです。
2023年8月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
購入した時はスウェーデンといえば、社会保障というイメージがあったので、読んでみるとスウェーデンの実情でした。
文化や風土、国民性も詳しく論じられている。スウェーデンを知りたい人にはおすすめだと思います。
文化や風土、国民性も詳しく論じられている。スウェーデンを知りたい人にはおすすめだと思います。
2013年6月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まさしく経済成長なくして福祉なし。1990年代に低成長に突入し、人口の高齢化と公的部門の肥大化が経済財政を圧迫、高福祉を支える国民の高負担も限界となり、年金など各種給付の削減が始まった福祉国家スウェーデンの実情を本書は描き出す。著者によると世界一の重税国家であるばかりか、社会保険の企業負担も重く、国際競争力を奪っているという。福祉国家にかかるコストは大変なものらしい。
徹底した個人主義、利己主義、合理主義ゆえに独身で過ごす人も多く、自由よりも平等や公平を重んじる。スウェーデンはそうした国民性だから福祉は国家が一人一人に用意しなければならず、家族主義でやってきた日本とは事情が違う…と著者は言う。確かに私たちは北欧の福祉国家を単純に美化してきた部分があるかもしれない。
スウェーデンは政治意識が高くて深刻な汚職はなく、国民総背番号制を導入して税収等を徹底管理しながら、この総背番号制を悪用する人はいないと本書は説明する。このあたりはしかしながら国民性の違いを超えてでも学びたいと思った。低成長と高齢化の中で福祉を維持しようとしているスウェーデンの姿は、日本の現状と似ている。いまスウェーデンは家族介護を模索し、日本は公的介護を推進している。相互に参考にすべきテーマがあるのではないだろうか。
スウェーデンの女性の社会進出は公的部問がほとんどで、民間企業はあまりないそうだ。著者は「それが実情だ」とやや厳しく紹介しているが、ならば民間企業でもキャリアを歩みつつある日本の女性たちは、先進的な挑戦をしているのかしれない。いずれにせよ示唆に富む著作だと思う。
徹底した個人主義、利己主義、合理主義ゆえに独身で過ごす人も多く、自由よりも平等や公平を重んじる。スウェーデンはそうした国民性だから福祉は国家が一人一人に用意しなければならず、家族主義でやってきた日本とは事情が違う…と著者は言う。確かに私たちは北欧の福祉国家を単純に美化してきた部分があるかもしれない。
スウェーデンは政治意識が高くて深刻な汚職はなく、国民総背番号制を導入して税収等を徹底管理しながら、この総背番号制を悪用する人はいないと本書は説明する。このあたりはしかしながら国民性の違いを超えてでも学びたいと思った。低成長と高齢化の中で福祉を維持しようとしているスウェーデンの姿は、日本の現状と似ている。いまスウェーデンは家族介護を模索し、日本は公的介護を推進している。相互に参考にすべきテーマがあるのではないだろうか。
スウェーデンの女性の社会進出は公的部問がほとんどで、民間企業はあまりないそうだ。著者は「それが実情だ」とやや厳しく紹介しているが、ならば民間企業でもキャリアを歩みつつある日本の女性たちは、先進的な挑戦をしているのかしれない。いずれにせよ示唆に富む著作だと思う。
2018年3月22日に日本でレビュー済み
外交官として長年スウェーデンに住み、スウェーデン語に堪能な著者による本である。
スウェーデン社民党は、社会主義の決定論を拒否し、資本主義の競争原理と社会主義の分配原理をミックスして第三の道を作り出し、きわめてプラグマティズムに徹した政権政党となった。「すべての人は満足すべき生活への権利をもつ」という平等原理を採用し、「胎児より墓場まで」のスローガンを謳う福祉国家を目指した。これは1960年代にはかなりの成功をもたらした。しかし1970年代から経済成長の低迷に遭遇し、いやおうなく「経済成長なくして福祉なし」の現実を体験・痛感することになった。ところが日本の福祉関係者はスウェーデンを、現実をまったく無視するほどに美化し理想化した。著者は、そのような思い入れはすでに反知性的である、とする。ヘーゲルが言う「知性とは客観的態度のこと」であるべきだからである。スウェーデンには学ぶべきところも多いけれども、学ぶべきでないところもある。そして最大の問題は、風土と精神文化の違いであり、さらに日本とスウェーデンとは、基礎的条件がまったく違うとする。
スウェーデンの中立主義はプラグマティズムから、内実は実にエゴイズムに満ちたものとならざるを得ず、それは必ずしも批難されるべきものではないが、決してきれいごとではない、という事実を歴史的事実から説く。スウェーデンの国防政策は、侵略者に対して攻撃による犠牲を極大化させる警告に基づくもので、言わば小国の抑止理論である。スウェーデンの外交と国防は、過去の「屈辱の中立」によって贖いえた平和のための行動の哲学として、現実的理想主義の立場である。スウェーデンの「武装中立政策」は、事実としては中立でもなんでもなく、西側NATOとの緊密な協力関係を裏で維持してきたことが、議会関係委員会の討議記録と証言などですでに明らかになっている。国際政治の情勢を注意深く観察し、交戦国からのある要請は拒否し、ある要請は受諾しあるいは条件付で受け入れ、または他の要求と相殺しあるいは部分的に同意を示し、その他驚くべき柔軟な現実適応の能力を発揮して、国際法には実際はあきらかに違反しつつも、事実において中立を維持したのが実態である、という。もちろん重要な収入源として兵器輸出活動は古くから堅持し続けて全世界におよぶ。
スウェーデンも、犯罪の増加に悩んでおり、男女関係や夫婦関係の悩みは尽きない。社会福祉の反面としての政府の国民管理の強さに対する国民側の不安や不満も決して小さくないという。
それらのことが、さまざまな事実を例にあげて実証的に述べられている。
著者は、ひとつの側面としてはスウェーデンでは成熟した民主主義が実現され、かなりの範囲で国民の要請に誠実に応えており、かなり良質の政治・社会を実現しているという。それでも理想の社会も政治も、現実の世界には存在しないのであり、日本と類似のあるいは異質の多くの問題を内包しているのであり、一部「識者」が唱えるようなスウェーデンへの妄想にもとづくかのような全面的礼賛・賛美に対して強い警告をならしている。
岡沢憲芙『スウェーデンの挑戦』岩波新書や、山井和則『世界の高齢者福祉』岩波新書などを読んだ人には、ぜひこの本も読み合わせて、軽薄な「(〇〇国)では-のかみ」的論調を客観化していただきたいと思った。
スウェーデン社民党は、社会主義の決定論を拒否し、資本主義の競争原理と社会主義の分配原理をミックスして第三の道を作り出し、きわめてプラグマティズムに徹した政権政党となった。「すべての人は満足すべき生活への権利をもつ」という平等原理を採用し、「胎児より墓場まで」のスローガンを謳う福祉国家を目指した。これは1960年代にはかなりの成功をもたらした。しかし1970年代から経済成長の低迷に遭遇し、いやおうなく「経済成長なくして福祉なし」の現実を体験・痛感することになった。ところが日本の福祉関係者はスウェーデンを、現実をまったく無視するほどに美化し理想化した。著者は、そのような思い入れはすでに反知性的である、とする。ヘーゲルが言う「知性とは客観的態度のこと」であるべきだからである。スウェーデンには学ぶべきところも多いけれども、学ぶべきでないところもある。そして最大の問題は、風土と精神文化の違いであり、さらに日本とスウェーデンとは、基礎的条件がまったく違うとする。
スウェーデンの中立主義はプラグマティズムから、内実は実にエゴイズムに満ちたものとならざるを得ず、それは必ずしも批難されるべきものではないが、決してきれいごとではない、という事実を歴史的事実から説く。スウェーデンの国防政策は、侵略者に対して攻撃による犠牲を極大化させる警告に基づくもので、言わば小国の抑止理論である。スウェーデンの外交と国防は、過去の「屈辱の中立」によって贖いえた平和のための行動の哲学として、現実的理想主義の立場である。スウェーデンの「武装中立政策」は、事実としては中立でもなんでもなく、西側NATOとの緊密な協力関係を裏で維持してきたことが、議会関係委員会の討議記録と証言などですでに明らかになっている。国際政治の情勢を注意深く観察し、交戦国からのある要請は拒否し、ある要請は受諾しあるいは条件付で受け入れ、または他の要求と相殺しあるいは部分的に同意を示し、その他驚くべき柔軟な現実適応の能力を発揮して、国際法には実際はあきらかに違反しつつも、事実において中立を維持したのが実態である、という。もちろん重要な収入源として兵器輸出活動は古くから堅持し続けて全世界におよぶ。
スウェーデンも、犯罪の増加に悩んでおり、男女関係や夫婦関係の悩みは尽きない。社会福祉の反面としての政府の国民管理の強さに対する国民側の不安や不満も決して小さくないという。
それらのことが、さまざまな事実を例にあげて実証的に述べられている。
著者は、ひとつの側面としてはスウェーデンでは成熟した民主主義が実現され、かなりの範囲で国民の要請に誠実に応えており、かなり良質の政治・社会を実現しているという。それでも理想の社会も政治も、現実の世界には存在しないのであり、日本と類似のあるいは異質の多くの問題を内包しているのであり、一部「識者」が唱えるようなスウェーデンへの妄想にもとづくかのような全面的礼賛・賛美に対して強い警告をならしている。
岡沢憲芙『スウェーデンの挑戦』岩波新書や、山井和則『世界の高齢者福祉』岩波新書などを読んだ人には、ぜひこの本も読み合わせて、軽薄な「(〇〇国)では-のかみ」的論調を客観化していただきたいと思った。
2013年4月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
映画「ドラゴンタトゥーの女」を見て、なんとなく興味を持ったので購入。
福祉のための重税によって、女性の社会進出が進むにつれ、
家庭というコミュニティーが破壊されつつあるスウェーデン社会。
日本もまさに追随していると思うけれど、福祉先進国家から学ぶべきものとは・・・
福祉のための重税によって、女性の社会進出が進むにつれ、
家庭というコミュニティーが破壊されつつあるスウェーデン社会。
日本もまさに追随していると思うけれど、福祉先進国家から学ぶべきものとは・・・
2008年3月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
福祉国家として有名なスウェーデンの福祉の実態を紹介し、その裏側に迫る、という本のはずだった。しかし、読んでみると、福祉については前半のみで、後半は永世中立国家という意味や、ノーベル賞批判など、雑談的。その前半も、整備された福祉とスウェーデン人の独立気風の関係の表と裏みたいな話に重点があって、全体として、「みんなスウェーデンって理想郷みたいに思ってるけど、そうでもないのよ」と言う話をくどくど繰り返している印象を受けた。
著者はスウェーデンに長く住んで、それなりに好きなんだろうけど、何となく愛を感じない文章も含めて、あまり良い印象は持たなかった。いろいろな国の国民性を知ること自身好きだし、結構重要なことなので、自分にとって意義はあったかな。ま、よしとしましょう。
著者はスウェーデンに長く住んで、それなりに好きなんだろうけど、何となく愛を感じない文章も含めて、あまり良い印象は持たなかった。いろいろな国の国民性を知ること自身好きだし、結構重要なことなので、自分にとって意義はあったかな。ま、よしとしましょう。
2009年12月22日に日本でレビュー済み
スウェーデンに何を求めるかということなんですが。 日本と比べて個人を守る制度が充実していて、格差と絶対的貧困が少ないということなので。 人間の集まりなので理想ではないけど実は日本より地獄だった…なんてセンセーショナルなことではありません。 北欧通の筆者さんがスウェーデンのがっかりするところを並べている内容。 私としてはやはり日本よりセーフティーネットが分厚いと思う。 日本の方が簡単に転落してしまう。 その分格差が大きいです。