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ブリュメール18日 (平凡社ライブラリー) 文庫 – 2008/9/10

4.5 5つ星のうち4.5 34個の評価

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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 平凡社 (2008/9/10)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2008/9/10
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 317ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4582766498
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4582766493
  • カスタマーレビュー:
    4.5 5つ星のうち4.5 34個の評価

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カール・マルクス
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上位レビュー、対象国: 日本

2023年10月29日に日本でレビュー済み
二月革命からルイ・ナポレオンのクーデターまでの数年間のフランス政治の動きを階級構造の観点から読み解いたマルクスの時評である本書は疑いもなく社会分析の傑作。事態の成り行きをマルクスがリアルタイムで見てきた出来事に関するクーデター発生直後の時点での分析でありながら、これほどの深度の分析が出来てしまうものなのか?マルクスの天才が遺憾なく発揮されていて圧巻。日本を代表する思想家である柄谷行人氏による優れた解説論文付きで、お得感も半端ない。

ルイ・ナポレオンのクーデターの成功と国民からの圧倒的支持は、議会に多数派がなく議会が決定能力を失って執行権力に対して抵抗できなくなっていたこと、およびフランス最大の人口を占める農民層が議会に代表を持たなかったがゆえに代表を必要としていたこと、以上二つの構造的要因によって可能となった、というのがマルクスの分析なのかな。どうして議会が無力化してしまったのか、どうして農民層は議会に代表を持てなかったのか、その謎解きの鮮やかさが本書の見所。

マルクス自身もその大きな推進力となった労働者層の社会主義運動の拡大にともない、ブルジョワジーは普通選挙制により労働者に力を与えてしまう議会制そのものを破壊しないことには自分たちの支配を維持できないという強迫観念にかられたことで普通選挙制を廃止して議会から労働者代表を追放した。

農民層の支持によって大統領となったルイ・ナポレオンが任期の延長を求めて議会との対立が始まると、ブルボン家とオルレアン家それぞれの支持者(ブルボン家は地主ブルジョワジーに、オルレアン家は大資本家ブルジョワジーに支持されていた)で構成された議会多数派はそれぞれの階級利害の衝突により決裂。さらには政治的安定を望む議会外のブルジョワジーとも決裂し、結局多数派が消滅して議会は決定能力を失った。

その空隙を突くようにして、議会に代表を持たないがゆえに大統領を自らの代表とするほかなかった貧困に苦しむ農民層の支持を背景に執行権力である大統領が議会を圧倒してクーデターにより独裁権力を握ったのだというわけです。議会制民主主義が麻痺するとき独裁権力が現れるという普遍的メカニズムを暗示する、その理論的射程の深さも含め、実に見事な分析だと思う。

農民層が議会に代表を持てなかったのは、分割地農民はその社会的交換に依存せず自給自足的な生産様式に規定されて互いに連携がなく孤立しているせいで階級としての連帯意識を形成できなかったからだとマルクスは言います。さらには、こうした全国を広く覆う互いに孤立した同質的な人々の群れは官僚制支配に適合的なのだともマルクスは指摘します。孤立しているがゆえに国家と農民の間に中間集団が入り込まない。それこそが個人と国家を直接結び付けることを可能にする。

中間集団に包摂されず孤立した個人はコントロールしやすいというマルクスの指摘は明らかに大衆社会論の先駆けであり、こうした権威のプロパガンダに従属しやすい原子化された個人が議会制を通じて独裁体制を生み出すというマルクスの理論はのちのファシズム形成の社会的メカニズムもすでに予告していたことになります。マルクス恐るべし。(柄谷氏は解説の中で日本のファシズム化も政党に代表されない貧困農民層が天皇を自らの代表に擬した結果なのだと主張しています。)

民主主義の牙城であるはずのアメリカがトランプ支持と不支持で真っ二つに割れて内戦前夜かと思うほどに国内が分断されてしまっている現状にもマルクスのルイ・ナポレオン理解は示唆するところがあるだろう。トランプ大統領の出現は議会で代表されずにいた低所得白人労働者層の議会に対する反乱であり、かつ非白人層に国を乗っ取られるのではないかと内心不安に感じながらも人種差別がタブーとされる中で議会に代弁者を持ちえなかった白人保守層の潜在的な不安の爆発だった。

代表されなかった潜在的多数派の代表を執行権力に送り込めたのは大統領制というものの強みであり弱みである。ひとたび大統領と議会が抜き差しならない対立に陥り、国民が議会不信を強めると議会制民主主義自体が機能不全に陥ってしまう。ルイ・ナポレオンの時代のフランスに起きたことが今日のアメリカにも起きているということなのではないか。一読そんな思いにかられました。やはり古典は不滅なのですね。ちゃんと読まずにいたことを深く反省しています。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2019年10月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
歴史分野の名著のリストに必ず入っているので読んでみたが、当時の人々に向けて書かれた本なので背景説明などはない。
重要な本であることに疑いは無いが、フランス革命あたりの歴史について詳しい人でないと本書の価値はわからないだろう。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2015年6月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 評者が以前に読んだ鹿島茂著『歴史の風 書物の帆』では、多く氏の書評が開示されていて本書カール・マルクス著『ルイ・ボナパルトのブリュメール十八日』も「歴史書・ベスト50 地球空洞説のような歴史書を!」の章で紹介されていた一冊である。 鹿島さんは、この本の書評で下のように書いていたので少し長いが・・・内に転載したい。

 ・・・このところ第二帝政にかんする本をいくつか読んだが、その洞察力の射程においてそれにかなう同時代の本はやはりなかった。ただ、遺憾とすべきは、「一度目は悲劇、二度目は茶番」という冒頭の言葉が、そこしか読まなかった読者に、ナポレオン三世はバカだ、という固定観念を植えつけしまったことだろう。最後まで読めば、マルクスが、ナポレオン三世はゴロツキだ、とは言っているが、バカだとは決して言っていないことに気がつくはずである。そして、慧眼なる読者は、ナポレオン三世に対するある種の愛情さえただよっていることを見抜くだろう。(『歴史の風 書物の風』(P49)・・・

 カール・マルクスは、1799年にナポレオン・ボナパルト(ナポレオン一世)が総裁政府を倒した軍事クーデター「ブリュメール18日のクーデター」と、甥のルイ・ボナパルト(ナポレオン三世)が、1851年に国民議会に対するクーデターを起こし、大統領権限を大幅に強化した新憲法を制定して独裁体制を樹立したのち、1852年には国民投票のうえで皇帝即位を宣言し、第二帝政を樹立、「ナポレオン三世」と名乗るようになったことを対比しながら『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』を書き上げたのである。
 慧眼でもない評者であるが、フランス19世紀を書いた本を多少は読んでいたから、鹿島さんがこの書評で述べていた「ナポレオン三世はゴロツキだ、とは言っているがバカだ、とは決して言ってない」ということは本書を読み終え理解することができた。
 マルククスがこの本のなかで「20年にわたる放浪と一連のグロテスクな冒険の後で、伝説が成就し、この男が皇帝となる。甥の固定観念は、フランス人の最も人数の多い階級の固定観念と一致したがゆえに、実現したのである。」(P179)
 と、述べているが、ここでマルクスがいう「20年にわたる放浪とグロテスクな冒険」というのは、ルイ・ナポレオンが何度も獄につながれたり、母親から受け継いだ莫大な遺産をわずかな間に浪費したことなどを示唆しているのだろうが、ルイ・ナポレオンの世界観や度重なる失敗にもくじけない「ゴロツキ」男として培ったのは、幼くしてドイツ、イタリア、スイス、イギリス、アメリカのニューヨークなども見聞したことが彼の血肉となり、めげない「ゴロツキ」男を皇帝にまでの地位にしたのだろうと評者は想像したのである。
 マルクスが本書を書き終えたのは、1852年であるからルイ・ボナパルトが権力の座に登りつめるのを、ほぼリアルタイムで客観視しながら評論し終えているが、マルクスがもっとも危惧したのは、ポピュリズムの擡頭だったのではないだろうか。
 第二帝政時代に入り、ルイ・ポナパルトが亡命中に観察していたイギリス産業革命などに触発され「サン=シモン主義」的な政策を遂行し経済社会を築いた結果ヨーロッパ先進諸国にフランスが肩を並べるまでにした功績は認めなければならないだろう。
 金融政策改革、関税大幅引き下げ、道路・鉄道の整備、スエズ運河建設、など数え上げたらきりがないくらいの政策を実行したのも歴史の事実である。
 時代に後押しされたということも否めないが、彼がジロンド県知事ジョルジュ・オスマンを、セーヌ県知事に任じてパリ大改造をしていなければ、今のような雰囲気のパリ市街は存在しないと思えば、その功績だけでもナポレオン三世を評価したくなってしまうのは評者だけだろうか。
 マルクスは、伯父と甥とが歴史的に同じ役割を果たしたことを本書の第一章の冒頭で、「一度は偉大な悲劇として、もう一度はみじめな笑劇として」というヘーゲルの言葉を引用していたが、伯父のエートスを受け継いだ甥ルイ・ボナパルトを、マルクスならではのシニカルな視線で書きあげたのが、この『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』という評論なのだろう。
 ナポレオン三世は、メキシコ出兵失敗の後、名誉挽回のため1870年にプロイセンに宣戦した普仏戦争で惨敗し、自らがプロイセン軍に捕えられ退位へと追い込まれたことから、第二帝政時代は終焉をむかえたのである。
 評者が昨年読んだ鹿島茂著『渋沢栄一』の中で渋沢が1867年のパリ万国博覧会に幕府使節団の随員として参加し、そのあと約一年半ほどヨーロッパを視察したことが書かれていた。
 渋沢は、昭和4年12月に、昭和天皇から宮中賜餐に招かれた席上で自身の過ぎし日の思い出を披露したことを、四男の秀雄の『父 渋沢栄一』の中に書き残しているから、その内容の一部を・・・内に引用したい。
 ・・・むかしフランスにいったとき、ナポレオン三世が博覧会場で大演説をしたこと。そのナポレオンも二年後にはドイツに大敗し、そのドイツも第一次大戦で連合軍に打ちのめされたことなど述懐して、一国敗亡の訴因は外敵よりも国内にあり、という考えを言上したそうである。それからわずか八年目に、日本は自ら進んで墓穴をほりはじめた。(『渋沢栄一』(P446)・・・
 ・・・内の記述は、評者が鹿島茂著『渋沢栄一』読了後、レビューに書いたことを転載したものであるが、渋沢が言いたかったことは、当時日本が満州を植民地化しようとしたことへの危惧であったのである。
 まさにナポレオン三世が辿ってきた轍を渋沢が語ったのであるが、渋沢の危惧したことが、16年後には日本の現実となってしまったのである。
 本書は、初版そのものを忠実に翻訳したものであり、マルクスが第二版で削除したり、書き直したものではないから興味深い。
 本書では、聖書、ギリシャ神話、シェークスピア、知らない人名などが多く引用されて登場するが、訳注、「政治党派と階級的基礎」「時期区分と階級闘争の構図」、人名解説、など本書の後半に詳細に載せていたからなんとか読み終えることができた。
41人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2008年10月13日に日本でレビュー済み
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先の太田出版版の単行本と違うのは原書初版にあった出版者による前書きが追加され、訳者があとがきで述べたように「初版」が再現されたことである。また訳者のあとがき(翻訳を依頼した批評空間社の内藤氏が追悼されている)も追加され、150年前と今日の出版事情がうかがえるようになっている。マルクスの時代との相似性は代表制の危機とともに出版の危機でもあるというのは気のせいではないだろう。

索引がないので大月書店版と岩波文庫版が無用になることはないとはいえ、マルクスの意図した戯画化を反映した読みやすい翻訳で決定版といえるのものである。
それ以上に太田出版版でも付録についた柄谷行人の論考がわかりやすくためになる。定本柄谷全集第五巻冒頭に所収されたものとほぼ同じだが、ここでは文末でボナパルティズムの危険が強調されて終わっているバージョンであるのは達見と言えよう(柄谷の論考は西川長夫編纂の研究書を参照した学術的レベルでも評価できるものだ)。

さて肝心の中身だが、代表制の危機を指摘するマルクスの先進性は評価できる。
しかしマルクスもドイツが題材だったらこのような戯画化は出来なかっただろうという印象が避けられない。
喜劇的事態でもそのまっただ中にいる人は笑えないものだ。
後にヒトラーが代表制の中で選ばれた事を予見しているとも言えるだろうが、今日的に本書で印象に残るのはそうした戯画化(マルクスによればナポレオン三世は馬上のサンシモン主義者というより、馬糞のなかのサンシモン主義者といった様相だ)ではなく、マルクスが官僚制と軍隊の歴史的位置づけをしている部分だ。
そうした官僚制はポピュリズムの背後に生き続ける物であるから、喜劇的とは言えないし、ソ連等をみればわかるが、マルクスの政治主義の理論的陥穽とでもいうべきものだと思う。

その意味で同時期にナポレオン三世のクーデターを論じ、「君主なき君主制」の危険(これは社会革命が伴わない政治革命の必然でもある)を獄中で指摘したプルードンは再評価されるべきだろう((彼の『クーデタ』は本書で現状を追認するものとして批判されているが、邦訳もなく現在欠席裁判が続いている状況だ)。

歴史学的にいえば、マルクス的カリカチュアではなくプルードン的なアンチノミーの提示(アナキズムかセゼリズムか)が大事になるのだ(プルードンの『クーデター』に関しては河上健二編『プルードン研究』所収の西川長夫の論考に詳しい)。

この平凡版の表紙でもナポレオン三世の肖像画が使われているが、戯画化された漫画ではなくこうしたリアリズムが時代状況的にも求められているということだろう。

そしてこの肖像は、あくまで個人的見解だがマルクスのひげを生やし微笑した肖像にも似ている。
マルクスとナポレン三世、同じ政治主義の陥穽(マルクスはその政治主義からプルードンを極度に排撃し、ナポレオン三世は農民のための保護主義と布告のための新自由主義を政治的に揚棄するために選ばれた)の行き着く先の共通した微笑であるように思われてならない。
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