人類がある程度遺伝子プールを共有したなかま(倫)として、
この地球上に拡散してゆく過程で、各人類集団は各固有環境への適応を余儀なくされました。
つまり、人類はR&Eというメルクマールを分有しつつも、
一方で驚異的な人口爆発や世界の一体化という世界史的流れの加速の中で、
グローバルなあり方にも配慮を余儀なくされています。
生物学のことばではよくいうのですが、「グローカル」という言い方があります。
それはつまり、アクト・ローカリー・シンク・グローバリーを約めた表現でしょう。
人は常に固有の制約条件である地域環境と向き合いながら、
包括適応度を高めてゆく必要があるのでは。
ダイレクトな一般適応というのはあまりなく、地域の自然・文化環境を仲立ちとして、
ワンクッションおいての包括適応になるでしょう。
本学(環境人類学)は、人類が先史以来営々と構築してきた文明・文化体系をいったん捨象し、
人類のあり方を生身の地域生態として捉え返したうえで、いかなる二分節的な適応形態が、
より自然選択にかかりやすいかを吟味するにちょうどよい学問であろうかと思います。
本書はその点、スチュワードの人類学など地域民族誌的な試みを紹介する中で、
エスノという概念が、あくまで固有環境の中での遺伝現象をつうじて成立しうるものである点を説明し、
よりダーウィン的な発想に立ったものとなっている点が大きな特徴です。
従来、遺伝現象を環境関連事象に先行させやすかったのは、グローバルな発想のためでしょうし、
しかしいまここに、その逆のシェーマがきれいに成り立っている以上、
やはりローカルな環境因子(環境収容力K)によって遺伝的ドリフトが起きると考えたほうが道理でしょう。
具体的選別はむしろ各環境別に進んでいるのであり、全体構造がその縮図に近いほど、
その全体は各部分をうまく代表しているといえましょう。即ち、全体データとして信用に価するのです。
(仮に数学などでも、Σを用いて、全体価の部分代表性の程度を議論しているのです)
では、本書をよき伴侶として、本学の学習が捗りますように。
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環境人類学を学ぶ人のために 単行本 – 2004/1/1
- ISBN-10479071036X
- ISBN-13978-4790710363
- 出版社世界思想社教学社
- 発売日2004/1/1
- 言語日本語
- 本の長さ202ページ
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
ローカルな視点で資源・環境問題の実態を捉え、持続可能な発展を地球規模で考えるテキスト。地球存続のために第一人者が提示する環境人類学の視点とは? 生物多様性、環境保護運動、大量消費等、現代の諸問題も紹介する。
登録情報
- 出版社 : 世界思想社教学社 (2004/1/1)
- 発売日 : 2004/1/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 202ページ
- ISBN-10 : 479071036X
- ISBN-13 : 978-4790710363
- Amazon 売れ筋ランキング: - 650,604位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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