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見残しの塔: 周防国五重塔縁起 単行本 – 2008/9/1
久木 綾子
(著)
- 本の長さ359ページ
- 言語日本語
- 出版社新宿書房
- 発売日2008/9/1
- ISBN-104880083895
- ISBN-13978-4880083896
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登録情報
- 出版社 : 新宿書房 (2008/9/1)
- 発売日 : 2008/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 359ページ
- ISBN-10 : 4880083895
- ISBN-13 : 978-4880083896
- Amazon 売れ筋ランキング: - 534,921位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 144,545位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年11月21日に日本でレビュー済み
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内容を、父は、ほめたたえてました。
2018年8月5日に日本でレビュー済み
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高齢の作家のエネルギー(建築用語や地道な資料集め)にただただ頭が下がります。
2013年11月1日に日本でレビュー済み
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天台座主即真周湛氏の薫陶宜しく感謝の気持ちがあとがきに表れている。
2012年3月9日に日本でレビュー済み
すごく文章が上手です。日本語のひとつひとつがこんなに美しいものなのかと思いました。語彙もすさまじく豊富で、適切な場面に適切な言葉を配します。文章家の力量に感服しました。しかもこれが89歳のデビュー作とあってはなおさらです。
ただし、ストーリーとしてみると、「おやっ」という面が少なくない。時代考証がしっかりしている半面、登場人物の振る舞いにあまりにも「作り話」的な要素が多く、興ざめなのです。そんなストーリーの弱さを感じましたが、全体としてはおもしろいです。
ただし、ストーリーとしてみると、「おやっ」という面が少なくない。時代考証がしっかりしている半面、登場人物の振る舞いにあまりにも「作り話」的な要素が多く、興ざめなのです。そんなストーリーの弱さを感じましたが、全体としてはおもしろいです。
2012年4月15日に日本でレビュー済み
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この本を知ったのは、文芸春秋の二月号に載っていた橘由歩さんという方の次のような書評を読んだからである。「取材に14年、執筆に4年、しかも70歳からのスタートなのだ。70代から80代半ばという、世に老齢と括られる歳月の中で紡ぎ出された、新人女性作家の鮮明なデビュー作が本書である。」この迫力に圧倒されて、是非とも読まなければ、と思ったのだった。
筋書きは、室町中期の頃に山口に五重塔を建てた大工の話である。主人公となる大工は九州の日向の山の中の椎葉村の神主の息子で、村を出奔して五重塔の建設に関わるのだった。著者は大胆にも、というか、この若者に遥か遠く若狭から来た新田義貞の末裔の姫を絡ませている。若者については、大工の技術を追求する執念を丹念に描いており、物を作る人の一徹さと徒弟制度の礼儀正しさの記述は、読んでいて心地よい。姫君については、芯の通った武芸好きの青竹のようにまっすぐ育った娘、として描いている。
恵海という仏僧が主人公と語る言葉にこのようなものがある、「お前の師匠たちは、生死をかけて伽藍や塔を造った。どんなに苦しい忍従の労働だったか、聞いた事があるか?」、「いえ、聞いたのは建て上げたときの喜びだけです」、「大工たちは神の手と、仏の慈悲と忍耐を持っている。でなければ、こんなに人の心を打つ堂伽藍は建ちあがらぬ。いつかお前もそれが分かる」。これは作者がこの物語の背景となっている瑠璃光寺の五重塔を仰ぎ見た時に感じ、取材を重ねて行くうちに思いついた言葉なのだろう。建設業で職を得ている私にとっては、心打つ台詞であった。
文体は凛然としていて、むしろ堅苦しいかもしれない。私は読んでいて肩が凝ると言うか、緊張すると言うか、そういう感覚で読んで疲れてしまったが、それがまたなんとも心地よい高揚感と読後感を生み出したのだった。私がうまく表現できなかった感情を、櫻井よしこ氏は解説でこのように言っている、「久木氏の作品は対象への畏敬と慈しみに満ちながら、無駄も隙もない。余計な部分が削りとられ、冗長も過剰もない。著者が筆を抑えに抑えて書いた『見残しの塔』を最初に読んだとき、私は思わず知らず息を凝らさずにはいられなかった。緊張の中に放り込まれた。緊張を強いるその強い力は、瑠璃光寺五重塔を造った中世の日本人の、純粋無垢としか言いようのない魂を描ききったことから生まれた力である。」、その通りである。
筋書きは、室町中期の頃に山口に五重塔を建てた大工の話である。主人公となる大工は九州の日向の山の中の椎葉村の神主の息子で、村を出奔して五重塔の建設に関わるのだった。著者は大胆にも、というか、この若者に遥か遠く若狭から来た新田義貞の末裔の姫を絡ませている。若者については、大工の技術を追求する執念を丹念に描いており、物を作る人の一徹さと徒弟制度の礼儀正しさの記述は、読んでいて心地よい。姫君については、芯の通った武芸好きの青竹のようにまっすぐ育った娘、として描いている。
恵海という仏僧が主人公と語る言葉にこのようなものがある、「お前の師匠たちは、生死をかけて伽藍や塔を造った。どんなに苦しい忍従の労働だったか、聞いた事があるか?」、「いえ、聞いたのは建て上げたときの喜びだけです」、「大工たちは神の手と、仏の慈悲と忍耐を持っている。でなければ、こんなに人の心を打つ堂伽藍は建ちあがらぬ。いつかお前もそれが分かる」。これは作者がこの物語の背景となっている瑠璃光寺の五重塔を仰ぎ見た時に感じ、取材を重ねて行くうちに思いついた言葉なのだろう。建設業で職を得ている私にとっては、心打つ台詞であった。
文体は凛然としていて、むしろ堅苦しいかもしれない。私は読んでいて肩が凝ると言うか、緊張すると言うか、そういう感覚で読んで疲れてしまったが、それがまたなんとも心地よい高揚感と読後感を生み出したのだった。私がうまく表現できなかった感情を、櫻井よしこ氏は解説でこのように言っている、「久木氏の作品は対象への畏敬と慈しみに満ちながら、無駄も隙もない。余計な部分が削りとられ、冗長も過剰もない。著者が筆を抑えに抑えて書いた『見残しの塔』を最初に読んだとき、私は思わず知らず息を凝らさずにはいられなかった。緊張の中に放り込まれた。緊張を強いるその強い力は、瑠璃光寺五重塔を造った中世の日本人の、純粋無垢としか言いようのない魂を描ききったことから生まれた力である。」、その通りである。
2012年1月20日に日本でレビュー済み
面白いです。
買ってよかった。
ハードカバーでも欲しいと思わせる、何度でも読み返したい一作です。
時代小説が好きな人(市井物含む)、歴史小説が好きな人、寺社仏閣、
古刹建築に興味のある人、お勧めです。
二人の主人公を軸に、それぞれの旅路と人生、その周りに生きた人々、
さらに源平の末裔達のその後を、場面場面、巧みに処を変え、
触れ合いそうで触れ合わず、やがて交差する一瞬へ向かって、
穏やかで緻密な文章が、飽きることなくページを捲らせてくれました。
男と女の機微の苦さ、ひたむきな思慕の強さが物語に一層の深みを与えています。
男女それぞれの主人公は、左右近(さうちか)と初子(はつこ)。
二人はまったく別の生地、日向(現:宮城)と若狭(現:福井県南部)を、
それぞれの命運を賭け旅立ちますが、ドラマ性を十分に持たせながら、
けして過剰にはならず、旅草子の様に紡がれる整理された温もりのある描写は、
この作者のこの年齢だからこそ成せる表現ではないでしょうか。
序盤の一文<…村娘と恋仲になり一人だけ残留した。
唐人座は百年たった今も仲間の居場所を記憶していて、年に一度…>は、
遠い昔の人と人の交わりが、どれだけ深く、大切に愛おしまれていたのかを
考えさせられます。
余談ですが、ご自宅でお読みになる時は日本史年表をお手元に置いておくと、
よりどっぷりと素晴らしい世界観に浸れると思います!
教養って大事ですね…
買ってよかった。
ハードカバーでも欲しいと思わせる、何度でも読み返したい一作です。
時代小説が好きな人(市井物含む)、歴史小説が好きな人、寺社仏閣、
古刹建築に興味のある人、お勧めです。
二人の主人公を軸に、それぞれの旅路と人生、その周りに生きた人々、
さらに源平の末裔達のその後を、場面場面、巧みに処を変え、
触れ合いそうで触れ合わず、やがて交差する一瞬へ向かって、
穏やかで緻密な文章が、飽きることなくページを捲らせてくれました。
男と女の機微の苦さ、ひたむきな思慕の強さが物語に一層の深みを与えています。
男女それぞれの主人公は、左右近(さうちか)と初子(はつこ)。
二人はまったく別の生地、日向(現:宮城)と若狭(現:福井県南部)を、
それぞれの命運を賭け旅立ちますが、ドラマ性を十分に持たせながら、
けして過剰にはならず、旅草子の様に紡がれる整理された温もりのある描写は、
この作者のこの年齢だからこそ成せる表現ではないでしょうか。
序盤の一文<…村娘と恋仲になり一人だけ残留した。
唐人座は百年たった今も仲間の居場所を記憶していて、年に一度…>は、
遠い昔の人と人の交わりが、どれだけ深く、大切に愛おしまれていたのかを
考えさせられます。
余談ですが、ご自宅でお読みになる時は日本史年表をお手元に置いておくと、
よりどっぷりと素晴らしい世界観に浸れると思います!
教養って大事ですね…
2010年7月15日に日本でレビュー済み
着眼、取材、構想、物語の構成などが、魅力的だ。
塔の建築に携わる主人公には人を引き付ける力がある。
しかし、本当に残念なことに、
主要な複数の人物の行動がいくつもの場面で、どうにも納得できない。
常人には理解不能な行動 というのであれば、
それはそれで多分納得できたかもしれないのですが、
中途半端な説明に出会って そのまま放り出された私は、
「え!どうして?」という気持ちのまま
読了することになってしまいました。
主人公たちの行動のわけや、
著者が彼ら彼女らに託した思い が分かった方、
おられましたら、ぜひ解説をお願いします。
塔の建築に携わる主人公には人を引き付ける力がある。
しかし、本当に残念なことに、
主要な複数の人物の行動がいくつもの場面で、どうにも納得できない。
常人には理解不能な行動 というのであれば、
それはそれで多分納得できたかもしれないのですが、
中途半端な説明に出会って そのまま放り出された私は、
「え!どうして?」という気持ちのまま
読了することになってしまいました。
主人公たちの行動のわけや、
著者が彼ら彼女らに託した思い が分かった方、
おられましたら、ぜひ解説をお願いします。